若き天才は多くのサッカーフリークに夢を見せ、大きな期待を抱かせる。
だが、そんな眩い輝きを放つ天才でも世界的なスターになれる選手は一握り。
数々の若き天才たちが流星のように強烈な光を放って消えていった。
センセーショナルな活躍を見せるも、フェードアウトした5人の天才をピックアップした。
ミランの将来と言われた逸材
アレクサンダー・メルケル
国籍:カザフスタン、ドイツ
現所属:ガズィアンテプ(トルコ)
ドイツ人系ロシア人の両親を持つメルケルは、一時はミランの将来を期待されるMFだった。
シュトゥットガルトを経てミランの下部組織に入団し、左足のキック精度と優れた攻撃のアイディアでミランのトップチーム昇格を勝ち取った。
2010年12月チャンピオンズリーグ・アヤックス戦でトップデビューを飾り、共同保有先のジェノアでも活躍したため、ドイツ代表入りも間違いないと言われた。
だがその後は実力を出し切ることはなく、2015年に出生国のカザフスタン代表を選択した。
現在はトルコ1部ガズィアンテプで主力選手としてプレーしている。
日本でも見せた圧倒的な才能
ゲェディオン・ゼラレム
国籍:アメリカ、ドイツ、エチオピア
現所属:デン・ボス
アーセナルでジャック・ウィルシャーとも比較された若きプレーメーカーは、2013年のアーセナル対名古屋グランパスエイト戦で洗練されたボールタッチと優れたパスセンスで多くの日本人ファンに衝撃を与えた。
優れた戦術眼とテクニックを備えていたが、アーセナルでは公式戦2試合に留まった。その後も頭角を現すことなく、一時は代表入りをささやかれていたドイツ、アメリカからも遠ざかっている。
現在はオランダ2部デン・ボスでプレー。時折話題にあがるエチオピア代表入りの可能性もあるが、天才はどこへ行くのか。
バイエルンで輝きを放った超新星
ジャンルカ・ガウディーノ
国籍:ドイツ
現所属:ローザンヌ
2014-15シーズンのブンデスリーガ開幕戦で世界に衝撃を与えた。この日のバイエルンはヴォルフスブルク戦にジャンルカ・ガウディーノを先発投入。
中盤の底でチーム最長の12.9キロメートルを走行し、59本中57本のパスを成功させた。父は元万シャフトのマウリツィオであり、この天才的な2世ゲームメイカーに多くのサポーターがバイエルンの未来を抱いたことだろう。
ただ活躍は長く続かず、ペップ・グアルディオラ監督の不和などもあり、出場機会を勝ち取ることはできなかった。
国内外のクラブを渡り歩き、昨季はスイス2部のローザンヌで鈴木冬一と共闘して1部昇格にチームを導いた。
イングランドのメッシ
パトリック・ロバーツ
国籍:イングランド
現所属:サンダーランド
「イングランドのメッシ」と称賛された天才レフティーはフラムで頭角を現し、17歳でプレミアリーグデビューを果たした。
卓越したコントロール技術、キレのあるドリブル、独創的なチャンスメイク能力に優れており、2015年にマンチェスターシティへとステップアップを果たした。
だがその後は思ったような活躍はできず、期限付き移籍で複数クラブを転々とした。プレースタイルが似ていて、同じレフティーのフィル・フォーデンの影に隠れる形となった。
現在はサンダーランドに所属し、主力として活躍している。
セリエA最年少出場記録を持つブルガリアの怪童
ヴァレリ・ボジノフ
国籍:ブルガリア
現所属:ヴィトシャ・ビストリツァ
レッチェでセリエA最年少出場記録となる15歳11カ月でデビューを飾ったブルガリアの天才ストライカーは、ストイチコフの再来と期待されるほどの逸材だった。
2004-05シーズンにはリーグ戦20試合11得点(カップ戦は3試合3得点)と大活躍して、フィオレンティーナに移籍するも期待された活躍を果たせなかった。
左足から繰り出される圧巻のシュート技術と豪快さも持ち合わせたストライカーだったが、ユヴェントスやマンチェスターシティでは輝きを放つことはなかった。
パルマやセルビアのパルチザンで活躍するシーズンはあったが、キャリア初期の期待に勝るほどのインパクトは出せなかった。
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現在はブルガリア3部ヴィトシャ・ビストリツァに所属しており、37歳になったいまも現役を続けている。