茨城県のイセエビ 命名 「常陸乃国いせ海老」 8日からフェア

茨城県産イセエビの活魚を披露した、磯崎漁業協同組合の代表理事組合長の岡田英男さん=水戸市笠原町の県庁

茨城県沖で漁獲されるイセエビの販路拡大に向け、漁業者らで構成する「県産イセエビ消費拡大検討会」と県は30日、新たに定めた規格基準を満たす県産イセエビのブランド名を「常陸乃国いせ海老」に決め、ロゴと併せて発表した。7月8日から約3カ月間、県内をはじめ、東京都内や栃木県の料理店でフェアを繰り広げ、PRに力を入れる。

検討会代表を務める料亭「山口楼」(水戸市)の山口晃平社長や磯崎漁業協同組合(茨城県ひたちなか市)の岡田英男代表理事組合長ら同会メンバーが同日、県庁の大井川和彦知事を訪問。二つのブランド名と三つのロゴを組み合わせた検討会提案の計6候補から、大井川知事が選んだ。

ブランドの規格基準は「スタンダードサイズは600グラム以上で生きたものか冷凍」「プレミアムサイズは1キロ以上の生きたもの」の2種類。規格外は従来通り茨城県産として市場に流通させる。

フェアは9月末までで、県内の料理店14店のほか、東京と栃木の計25店以上で展開。常陸乃国いせ海老を主な素材とする各店オリジナルメニューが提供される。参加店は7月1日、常陸乃国いせ海老のホームページで公開される。

茨城県沖のイセエビ漁は5月に始まり、夏にピークを迎える。農林水産統計年報によると、茨城県のイセエビ漁獲量は近年増加。2021年が58トンで全国6位となっている。こうした中、検討会と県は昨年10月、県産イセエビのブランド化に乗り出した。検討会は漁業、食品加工、飲食サービスなど関連分野の17人で構成。価格設定や流通方法などの協議を重ねてきた。

県産イセエビの寿司を試食した大井川知事は「甘味も歯応えもあって、すごくおいしい」と絶賛。山口社長は「新鮮で素晴らしい茨城県産イセエビを素晴らしいシェフたちが生かし、消費者に届けていく。県内外に茨城の魅力が伝わってほしい」と意欲を示した。

ブランド名「常陸乃国いせ海老」を発表した、磯崎漁業協同組合代表理事組合長の岡田英男さん、大井川和彦知事、山口楼社長の山口晃平さん(写真左から)=水戸市笠原町の県庁

© 株式会社茨城新聞社