野党不在の下院選挙開始 世襲へカンボジア与党独走必至

カンボジアの首都プノンペンで開かれた大規模集会で、支持者に手を振るフン・セン首相=1日(共同)

 【プノンペン共同】カンボジア下院(定数125、任期5年)選の選挙運動期間が1日、始まった。弾圧を強める現政権側は主要野党キャンドルライト党を排除し、事実上の野党不在。フン・セン首相(70)率いる与党カンボジア人民党が23日の投開票に向けて独走するのは決定的だ。

 フン・セン氏の長男で後継首相候補に選ばれたフン・マネット氏(45)も初めて候補者になった。首都の選挙区から出馬し、当選は確実な情勢。世襲への信任投票の意味合いもあり、人民党は全議席獲得を目指す。

 キャンドルライト党は旧最大野党カンボジア救国党の流れをくみ、ほぼ唯一の競合相手になるとみられていた。

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