指示役のルフィ「盗んだ腕時計の写真撮れ」 京都の強盗事件で運搬役の男に

京都府警本部

 京都市中京区で昨年5月に高級腕時計買い取り販売店から多数の腕時計が奪われた強盗事件で、盗品の運搬役とされる宮沢優樹被告(22)=盗品等運搬罪で起訴=が、指示役の「ルフィ」から「盗んだ腕時計の写真を撮れ」との趣旨の指示を受けていたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁や京都府警などの合同捜査本部は、時計の強奪から売却に至るまで「ルフィ」が継続的に犯行を指示していたとみて捜査している。

 京都の強盗事件を指示していたとして捜査本部は6月29日、強盗容疑で今村磨人容疑者(39)を逮捕。捜査本部は今村容疑者が「ルフィ」を名乗り、フィリピンから実行役らを指示していたとみている。

 捜査関係者によると、昨年5月2日、京都市中京区の腕時計店に男女2人が押し入り、腕時計41点(販売価格計6900万円相当)を奪った。事件後、男は大阪府吹田市の名神高速道路吹田サービスエリア(SA)に向かったが、トイレで何者かに襲われ、被害品はその後、岐阜県内のコインロッカーへ運ばれた。

 宮沢被告は翌3日にコインロッカーから東京駅まで腕時計11点を運んだとされる。この途中にSNS(交流サイト)を通じ、「ルフィ」から盗品の腕時計について「写真を撮れ」と指示を受けたという。

 京都事件では、腕時計店に押し入った男女らを率いた、中間の指示役とされる被告の男(30)の捜査でも「ルフィ」とのやりとりが判明。また、被害品は東京都内で別の男女4人が売却したとみられるが、このうち静岡市の女(22)は「ルフィなる人物が指示役だった」と供述している。捜査本部は、京都事件で今村容疑者が腕時計店での強盗を指示していたとみて裏付けを進めるとともに、盗品の運搬や売却への関与についても調べる。

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