マクラーレンF1、ノリスのペナルティの再審査を請求。カナダで“スポーツマンシップに反する行為”により入賞圏外に降格

 マクラーレンF1チームは、第9戦カナダGP決勝でランド・ノリスに科された5秒のタイムペナルティについての見直しを求める手続きを開始した。

 カナダGPでノリスは9位でフィニッシュしたものの、レース中に決定していたペナルティにより5秒加算され、ポイント圏外の13位に降格された。ペナルティ対象となった行為についてスチュワードは、セーフティカー導入時にマクラーレンがオスカー・ピアストリとノリスを同じ周回に続けてピットストップさせようとした際に、後方にいたノリスがピアストリとの間にギャップを作るためにペースを落とし、それによって、後ろを走るグループを遅らせたと説明している。スチュワードはこのノリスの行為は、国際モータースポーツ競技規則第12.2.1.l条で違反と定められている「競技における公正の原則の侵害、スポーツマンシップに反する行為、またはスポーツ倫理に反する方法で競技結果に影響を及ぼそうとする行為」に当たると結論付けた。

 レース直後、マクラーレンとノリスはこのペナルティについての不満を示していたが、オーストリアGPの金曜日の6月30日、チームが再審査を求める権利を行使するため、申し立てを行ったことを発表した。

2023年F1第10戦オーストリアGP ランド・ノリス(マクラーレン)

 この手続きを進めるには、マクラーレンは当時スチュワードが入手できなかった新たな証拠を提出する必要がある。重要な新証拠があると認められた場合、再審が行われる。

 マクラーレンは、声明のなかで、FIAとスチュワードへの信頼を示したうえで、今回のペナルティには驚いたと述べ、「冷静かつ思慮深いやり方で、先例の検討を含めた、包括的なデューデリジェンスを行うことで、本件の見直しを実施することを決定した」としている。

「この慎重かつ広範な検討の結果、我々はFIAに対し、“再審の権利”を提出するのに十分な証拠が存在すると考え、権利の申し立てを行った」

「今後も、通常どおり建設的かつ協力的な態度で、FIAと緊密に協力し合って取り組んでいき、彼らの審議と決定の結果を受け入れるつもりだ」

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