前澤友作氏1000万円寄付を申し出 施設や里親のもとで育った子の進学を支援 千葉県創設の奨学金

前澤友作氏

 3月に千葉県が創設した児童養護施設等退所者への進学奨学金制度で、県は30日、県出身の実業家、前澤友作氏から1千万円の寄付の申し出があったと発表した。県の担当課は「困難な状況にある子どもたちへの支援に感謝したい」と話した。

 県児童家庭課によると、前澤氏が設立して代表理事を務める「一般財団法人ARIGATO」が、7日に寄付する予定。前澤氏は青少年への奨学金やひとり親への助成などに取り組んでおり、県が1月に同制度を発表した際、最も早く協力を申し出たという。

 同制度は児童養護施設や里親など、社会的養護のもとで育った子どもの、大学や専門学校への進学支援のために創設。返済不要の30万円を在学中に毎年度給付する。2024年度の進学分から適用する。夏休みごろに施設などに周知していく。

 21年度に県内の児童養護施設から大学などに進学したのは19人で、全体の39.5%。県全体の進学率83.9%と比べると低水準にとどまっている。同課は「制度を活用してもらい、1人でも多くの子どもの学ぶ機会を確保したい」と強調した。

 7日に寄付された場合、基金は3300万円となる。奨学金の問い合わせは県社会福祉協議会(電話)043(245)1101。

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