病気と闘う子どもに「貸切特急」プレゼント 京成電鉄、成田空港への旅に招待

成田空港駅で願いを込めた短冊をササにかける子どもたち=24日、成田市

 病気と闘う子どもたちをねぎらおうと、京成電鉄(市川市)は24日、特急スカイライナーの車両を貸し切って成田空港見学に向かうイベント「七夕チャリティーライナー」を開催。入院経験のある子どもとその家族の8組29人が参加し、航空機が行き交う制限エリア内を案内されるなど特別な日帰り旅を楽しんだ。

 子どもの入院時に保護者が病院近くで滞在できる「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を1年以内に利用した家族を無償招待した。京成上野駅でスカイライナーに乗り込み、7月7日の七夕に合わせて短冊に願いを書きながら移動した。

 成田空港駅に到着すると、子どもたちは「勉強ができますように」「毎日楽しく過ごせますように」と願いを書いた短冊をササにかけた。駅長からは記念切符などが贈られた。

 自由時間では家族ごとに旅客ターミナル内を散策。滑走路を眺められる展望デッキでは、子どもたちが「飛行機だ!」と喜んだ。貸切バスに乗って制限エリア内に入り、車窓から間近に航空機を見る貴重な体験もした。

 埼玉県から参加した小学3年で双子の横川花さん(8)と芽生さん(8)は「空港に向かう電車が楽しかった。願いごともできた」と笑顔。母親も「貸切車両なので乗りやすかった。来年には家族で航空機で旅行できたら」と願った。

 チャリティーライナーは新型コロナ感染拡大により空港アクセス需要が減った2020年に始まり、今回で6回目。担当者は「需要はほぼ戻ってきているが、家族の皆さんが喜んでくれたので引き続き開催したい」と話した。

成田空港の展望デッキから滑走路を眺める子どもたち=24日、成田市

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