水銀排出の樋門撤去再延期 水俣病患者団体が現地抗議

「百間排水口」の樋門撤去工事に反対し、足場の上に座り込む西川大さん=1日午後、熊本県水俣市

 熊本県水俣市は1日、水俣病の原因企業チッソ(東京)がメチル水銀を含む有毒な工業排水を流した「百間排水口」の樋門の撤去工事に着手しようとしたが、現場で水俣病患者団体から抗議を受けるなどしたため、取りやめた。6月中旬の着手予定だったが、保存を求める声が強く、延期していた。反発を踏まえ、4日以降に再延期することになった。

 市によると、樋門の木製ゲート4基とコンクリート製の足場が撤去対象となっている。1日午前、工事を始める予定だったが、現場に水俣病患者の支援者らが複数人集合。このうち、水俣市の僧侶西川大さん(59)が2時間以上足場の上に座り込んだ。

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