食品の「2023年上半期売れたものランキング」上位の“顔ぶれ”一変 唯一上位を維持し格上げとなったのは乳酸菌飲料 インテージ

コロナ禍からアフターコロナへと向かい、これに伴い新しい生活様式もさらなる変容を遂げていく中、食品の売れ筋も様変わりする――。

マーケティングリサーチ会社のインテージが27日発表した「2023年上半期売れたものランキング」で食品カテゴリーを抽出すると、このような移ろいやすい消費実態の一端が浮き彫りになった。

食品は、昨年や一昨年の上半期と比べて10位までの上位の“顔ぶれ”が一変した。

21年上期1位の麦芽飲料、同2位のプロテイン粉末、同3位の玩具メーカー菓子、22年上期1位のオートミールは今回、軒並み15位以下となった。

「2021年上半期売れたものランキング」と「2022年上半期売れたものランキング」出典:インテージSRI+

この中でプロテインを除く3つのカテゴリーは「2023年上半期の金額前年比 下位ランキング」にランクイン。同ランキングでは麦芽飲料は3位(前年比77%)、オートミールは8位(前年比87%)、玩具メーカー菓子は12位(前年比90%)となった。

ただ、コロナ前の19年比でみると、オートミールは10倍以上と驚異的な数字で拡大し、麦芽飲料と玩具メーカー菓子も2倍弱の伸びとなったことから、今回は市場定着した上での反動減とみられる。

「2023年上半期売れたものランキング」で昨年に引き続き上位にランクインし昨年の9位から5位に格上げになったのは乳酸菌飲料。このほか食品では、液体だしが新たに上位(7位)にランクインした。

「2023年上半期の金額前年比 下位ランキング」出典:インテージSRI+

「乳酸菌飲料は睡眠改善などに訴求する商品が昨年から大流行。液体だしは、コロナの時期にじわじわと伸び続けてきたもので、家で食事を作る機会が増える中、手軽に本格的な味を出せるということで利用が広がっている」(インテージ)との見方を示す。

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