イニエスタの神戸ラストマッチは札幌とドロー…57分で途中交代もトゥーレル弾で勝ち点1を拾う【明治安田第19節】

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明治安田生命J1リーグ第19節、ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌が1日にノエビアスタジアム神戸で催され、1-1の引き分けに終わった。

1試合未消化の中で2位に付ける神戸は、この試合がラストマッチとなるアンドレス・イニエスタを今季初となる先発起用。トップ下で自由を与え、スタート時では初となる[4-2-3-1]を採用した。

一方、前節セレッソ大阪戦の大敗を払拭したい札幌は先発を1人変更。中村桐耶に代わって宮澤裕樹を起用した。

神戸は裏への長いボールとセカンドボール争いで後手を踏み、序盤は守備の時を過ごす。その中でショートカウンターや相手のコントロールミスからジェアン・パトリッキに絶好機が到来。だが、GK菅野孝憲に上回られる。

注目のイニエスタがボールを持つ場面も少なく、あっても受け手となる選手を札幌がしっかりと捕まえたため、思うようにパスがつながらない。

対照的に札幌はミドルサードで悠々とボールを保持し、23分には細かいパスワークから右ポケットを取った浅野雄也が切り返しからの左足。GKの好セーブに遭った直後にも田中駿汰のクロスからスパチョークがヘディングシュートと、ゴールの匂いを感じさせる。

すると26分、ピッチを広く使って右サイドまで展開すると、金子拓郎が左足で巻いたクロスを供給。GK前川黛也がはじいたこぼれ球をスパチョークが拾って蹴り込み、札幌が試合を動かした。

31分にも幅を使った攻撃からルーカス・フェルナンデスがフィニッシュと、札幌はさらに攻勢を掛ける。神戸もようやくイニエスタが高い位置で攻撃に絡み、36分に汰木康也とのワンツーを経て自らシュート。42分には武藤嘉紀がためを作ってスルーパスを送り、左のハイサイドを取った汰木の折り返しにパトリッキが触れば1点という場面を作る。

ビハインドの神戸はハーフタイムに汰木から大迫勇也へスイッチ。前線の収めどころを作ると、51分にはFKから武藤、パトリッキとゴール前でのシュートシーンを迎える。札幌も守備陣が体を張ったブロックでこれをしのぐと、2分後には浅野が鮮やかな切り返しで初瀬亮をかわし、ゴール前で右足を振る。

プレーが切れた後には直前のシーンでVARからの進言があり、本多勇喜が浅野のシュートをブロックした際、ディフレクション後に手に当たった事例でオンフィールドレビューが行われたが、カミス・モハメド・アルマッリ主審はノーハンドの判定を下した。

神戸は57分、イニエスタを下げる決断を下す。背番号「8」はキャプテンマークを山口蛍へ託すと、タッチライン際で待つ佐々木大樹の下へ。ピッチを去る際には観客から盛大な拍手が送られた。

イニエスタへ勝利を届けようと、GK前川が好セーブを披露し、クロス攻勢でゴールを目指す神戸。74分には厚みのある攻撃を仕掛け、左クロスから大迫が頭で合わせるも、わずかにポストの右へ逸れる。

神戸の攻勢が実ったのは85分。初瀬の右CKからマテウス・トゥーレルが強烈なヘディングを叩き込んでようやく試合を振り出しに戻す。

以降は互いに攻め合うオープンな展開となり、度々決定機を迎えたものの、次のゴールは生まれぬままタイムアップ。神戸は追い付きながらもイニエスタのラストマッチを勝利で飾ることはできなかった。

ヴィッセル神戸 1-1 北海道コンサドーレ札幌

【神戸】

スパチョーク(前26)

【札幌】

マテウス・トゥーレル(後40)

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