ファンどっと音響「迫力」 イオンシネマとなみ開業 36年ぶり砺波に映画館

映画ファンでにぎわうイオンシネマとなみ=砺波市のイオンモールとなみ

 映画館「イオンシネマとなみ」は1日、砺波市のイオンモールとなみに開業した。同市で36年ぶりの映画館で、複合映画館(シネマコンプレックス)は初めてとなる。オープニングセレモニーには約300人(主催者発表)が参加し、文化のシンボルの誕生を祝った。

 式典では、イオンリテール(千葉市)の井出武美社長が砺波市とは1974年に前身の「いとはん」を開業して以来の付き合いだと紹介して「再オープンのつもりで頑張る」とあいさつした。夏野修市長が「市の魅力アップになる」と期待した。関係者によるテープカットの後、「となみミュージカルキッズ」の23人が歌と踊りで祝った。

 スクリーンは五つで計414席あり、イオンシネマの中では最も小規模となる。立体音響技術「ドルビーアトモス」が国内で初めて全スクリーンに導入された。DX(デジタルトランスフォーメーション)により、チケットレス入場や飲食売店にセルフレジを導入して省力化を図った。映画館を運営するイオンエンターテイメント(東京)の藤原信幸社長は「実験的な映画館となり、実績を考慮して中小商圏で『コンパクト型シネコン』を増やしたい」と述べた。

 1日は8作品が上映され、午前中から大勢の映画ファンでにぎわった。友人と鑑賞に訪れた砺波工1年の澤田大空(そら)さん(16)は「富山や高岡の映画館と違い、自転車で来ることができる」と喜んだ。南砺市の会社員野原亮さん(26)は「音響の迫力が違い、緊迫感も伝わった」と話した。バンダイ(東京)のカプセルトイをそろえた店も同日、シネマ内に開業した。

 砺波郷土資料館によると、市内の映画館は1987年(昭和62)年に「砺波劇場」が閉館して以来となる。

オープニングセレモニーで歌と踊りを披露するとなみミュージカルキッズ

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