炭焼き窯復活へ 珠洲市内外ボランティア、修理に汗

炭焼き窯の再建に向け作業を進めるボランティア=珠洲市東山中町

  ●県内唯一の製炭業「ノトハハソ」、7月上旬出荷再開

 最大震度6強の地震により被災した珠洲市東山中町にある県内唯一の製炭業「ノトハハソ」の炭焼き窯で、復興に向けた動きが進んでいる。1日は市内外からボランティア8人が駆けつけ、壊れた窯の修理作業に取り組んだ。今月上旬から出荷を再開できる見通しとなり、大野長一郎社長(46)は「炭を待っている人たちのためにいち早く製品を届けたい」と意気込んでいる。

 製炭業「ノトハハソ」は5日の地震で、1、2号機の窯の天井にひび割れが確認され、3号機でも窯の天井部分の形を丸く保つための「重し」となる土が浮いたり割れたりした。いずれも修理が必要となり、製造中止を余儀なくされた。

 大野社長は、1人では手に負えないため、フェイスブックで修理ボランティアを募り、6月から作業を進めてきた。

 この日は、ボランティアが3グループに分かれ、電動のこぎりで木を切り、解体された1号機の天井部分に積み上げる作業などを行った。白山市八ツ矢新町から来た辰野伸也さん(50)は「少しでも協力することができて良かった」と話した。

 窯の1基はすでに修理が終わっており、6月17日に火入れをした。今月上旬ごろに炭出しをして、準備ができ次第出荷する。同社は茶会などで湯を沸かす茶炭も生産しており、藩政期から茶道が盛んな県内では、待望の復活となる。大野さんは「色んな方の支援に答えられるように頑張っていきたい」と前を向いた。

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