『線状降水帯』発生 奄美地方で記録的な大雨 「顕著な大雨に関する気象情報」

2日(日)午前1時時点の3時間解析雨量

 鹿児島県の奄美地方では「線状降水帯」による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いている。 命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっているとして、気象庁は2日(日)午前1時9分に「顕著な大雨に関する気象情報」を発表した。鹿児島県の奄美地方では、土砂災害に厳重な警戒が必要だ。この情報は警戒レベル相当情報を補足する情報で、警戒レベル4相当以上の状況で発表される。 

 十島村では、2日昼前にかけて土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒が必要となる。 梅雨前線は3日(月)にかけて九州に停滞する見込み。梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、奄美地方では大気の状態が非常に不安定となっている。 このため、十島村では、2日昼前にかけて局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降り、大雨となるおそれがある。

 また、奄美地方では3日にかけて局地的に積乱雲が発達し、落雷や竜巻などの激しい突風が発生するおそれがある。

2日(日)午前3時の実況天気図

<雨の実況> 

降り始め(1日午前10時)から2日午前5時までの降水量(アメダスによる速報値) は、十島村宝島で338.5ミリ、十島村小宝島で292.5ミリ。

<雨の予想>

2日に予想される1時間降水量は、多い所で十島村50ミリ、2日6時から3日6時までに予想される24時間降水量は、多い所で十島村100ミリの見込み。

■身の安全を図る行動を崖や川の近くなど、危険な場所にいる場合(土砂災害警戒区域や浸水想定区域など、災害が想定される区域にいる場合)は、地元市町村から発令されている避難情報に従い、直ちに適切な避難行動をとる必要がある。周りの状況を確認し、避難場所への避難がかえって危険な場合は、少しでも崖や沢から離れた建物や、少しでも浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全を確保してほしい。

■予報用語における線状降水帯の定義 次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。

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