角田裕毅スプリント16番手「路面が乾いてきた時の僕たちはとても遅かった」:アルファタウリ/F1第10戦

 2023年F1オーストリアGPの土曜スプリントで、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は16番手フィニッシュという結果だった。

 チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルズは、次のように一日を振り返った。

「天候の影響で、スプリントの一日がとてもエキサイティングなものになった。昨夜から朝まで激しい雨が続いた後、雨がやんだ。路面はウエットだったが、急速に乾いていった。そのため、スプリント・シュートアウトをスリックタイヤで走り始めた」

「ドライバーはふたりとも、新品ソフトタイヤを2セット残していたので、自由な選択ができた。それがSQ2進出の助けになったといえるだろう。SQ1で新品タイヤが1セットでいいのか2セット必要か分からなかったが、優れたフィードバックを得て、2セット目に換えるためにピットストップさせる方がいいことが明らかになった。それによってSQ2には新品ソフトタイヤが残らなくなったので、ライバルたちと戦うことが厳しくなった」

「ドライバーふたりとも、最大限プッシュしたものの、それによって自己最速ラップでトラックリミットを超えることになり、裕毅は11番手に入る可能性を逃した」

「スプリントでは、グリッドに向かうまでのラップの直前まで雨が降り続いていたので、インターミディエイトタイヤでスタートするのが正しい選択だった。だが、そのコンディションではDRSを使用できないため、ポジションを上げていくのが難しかった」

「路面が乾き、インターミディエイトタイヤでは苦しくなってきたので、両ドライバーを呼び戻してソフトタイヤに交換した。しかし同じ行動をした他のドライバーに対しても、インターミディエイトタイヤでステイアウトしたドライバーに対しても、ポジションをゲインすることができなかった」

「ポイントが与えられるのはトップ8のみであり、今日ポイントを獲得するのが困難であることは承知していた。今は、ドライコンディションが予想されている明日のレースに気持ちを集中させている」

2023年F1第10戦オーストリアGP土曜 角田裕毅(アルファタウリ)とローガン・サージェント(ウイリアムズ)

■角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)
スプリント・シュートアウト=13番手(SQ1=13番手1分06秒896:ソフトタイヤ/SQ2=13番手1分06秒369:ソフトタイヤ)
スプリント=16番手(13番グリッド/タイヤ:インターミディエイト→ソフト)

 今日のシュートアウトについて、何をいうべきか分かりません。結局のところ、僕たちには十分なペースがなかったのです。チャンスを最大限に生かそうとしましたが、ほんの数ミリの問題で、2周目のラップタイム(1分06秒185)が抹消されました。もちろん悔しく思いました。

 スプリントレースは16番手に終わりました。トリッキーなレースで、今日は僕たちにやれることはあまりありませんでした。僕は自分のパフォーマンスを最大限発揮することも、マシンの力を最大限に引き出すこともできませんでした。特にストレートラインスピードが不足しているのです。

 インターミディエイトタイヤでのペースは悪くありませんでしたが、ドライとウエットの中間のコンディションではとても遅かったです。他のトラックでも似たような限界を経験しているので、過去の経験から知識を得て、リセットし、焦点を明日に移していきます。全体がとても僅差なので、常に完璧に戦う必要があり、何が起こるか分かりません。

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