年500万個 “規格外”のヒット 広島・JA尾道市「はっさくゼリー」

ハッサクを使ったゼリーとシャーベット(広島県尾道市で)

【広島・尾道市】JA尾道市の特産加工品「因島のはっさくゼリー」「因島のはっさくシャーベット」の2022年度の販売数が500万個を突破した。規格外の果実を有効利用し、生産者の所得向上に貢献している。ゼリーは販売開始から30年を超えるが、新商品のシャーベットも投入することで、ここ数年で販売数をさらに伸ばしている。

ゼリーは、因島発祥のかんきつのハッサクを使った加工品として、1991年に販売を始めた。2019年には、凍らせて食べるシャーベットも開発。両商品とも、1個145円。ハッサクの配合率は32%で、大きめの果肉と程よい酸味が特徴だ。

土産物店やスーパー、JA直売所などでの販売が定着している。さらに、JAの支店やイベントでも販売することで、知名度向上につながっている。因島出身のアーティストのポルノグラフィティや女優の東ちづるさんがファンに紹介した効果もあり、順調に販売数を伸ばした。

県内有数の土産品となり、19年度には、年間販売数400万個を達成。22年度には、ゼリー449万個、シャーベット72万個を売り上げた。

JAは500万個突破を記念した式典を開催。販売実績を上げた企業・団体へ感謝状を贈るなどした。JAの丹下和博組合長は「一層の知名度向上で、生産者の所得向上、地域の発展につなげたい」と力を込めた。

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