【飯伏 幸太スペシャルインタビュー】≪完全版≫①
◆プロレスを好きになったキッカケ(馳健・闘魂三銃士)
山口:プロレス入りのきっかけという部分では、いつプロレスラーになりたいと思ったんですか?
飯伏:小学校五年生のときですね。一番初めのきっかけは、「ドラゴンボール」の孫悟空になりたかったんです。だけど無理じゃないですか。それからプロレスを見るきっかけがあって、それで、「これこそリアルドラゴンボールだ」、と。
山口:会場で生で観戦されたんですか?
飯伏:ビデオですね。
山口:初めての試合は新日?全日?
飯伏:新日本プロレス vs WARだったと思います。
山口:天龍さん!その時は柴田さんも……
柴田:しゃべってましたね。
山口:天龍さんが新日の並み居る精鋭陣と対決して、綺羅星のごとくやっつけていく、という感じでした?
飯伏:平成維震軍 vs WARのころだったかもしれません。
山口:興奮するじゃないですか! ああいう試合は感情が入りますよね。飯伏さんはどっち側のファンだったんですか?
飯伏:団体があること自体、最初にわからなかったので、見ていて天龍さんが最初に輝いてるな、と。天龍さんを応援してたんです。二ヶ月くらいですけど(笑)プロレスっていろいろあるんだと思って、いろいろなビデオを借りて、結局本当に一番はまったのは、馳(浩)さんと佐々木(健介)さんですね。
山口:馳健コンビ?
飯伏:馳さん単独ですね。馳さんと武藤さんが組んでましたね。
山口:華やかなタッグですよね。パフォーマンスもうまいし、外向きのアピールがうまいし。馳さんのどんなところがグッと来たんでしょうか?
飯伏:ほんとに華やか。華やかな部分ですね。ジャイアントスイングとかもまさにそうですけど、プロレスって、リングでこういうことができるんだ、と。小さいころはキックボクシングとか、それくらいしか見てなかったので、これはすごいな、と。
山口:馳さんが放つオーラにプロレスというものを感じたんですね。
飯伏:そんな感じですね。
山口:武藤さんじゃなかったんですね。一瞬、飯伏さんの中に武藤さんも見え隠れするようなイメージもありますけど……
飯伏:武藤さんはハマらなかったですね。三銃士だと橋本さんでしたね。
山口:え、ホントですか!?イメージと全然違いますね! 橋本真也さんが三人の中では一番好きだったんですか?
飯伏:橋本真也は世界最強だと思ってました!
山口:どんなところが好きなんですか?
飯伏:強さですね。強さのみです。橋本さんは本当に強いと思っていて。
山口:確かに。爆裂キック凄かったですね。
飯伏:当時はほかに格闘技なんてなかったじゃないですか。この人が一番強いんだな、と。IWGPヘビー巻いてる橋本真也、最強って。
山口:橋本さんの一番好きな試合はなんですか?
飯伏:いっぱいありますけど橋本さんと高田さんのドームの試合も興奮しましたね。Uインターと新日本の全面戦争(1995年)は大好きですね。
山口:あのとき震えましたね。
飯伏:もうピークですね(笑)
山口:柴田さん、あのときは実況で……
柴田:しゃべってましたね。10.9は凄かったですよ。
山口:客入りも過去最高?
柴田:あれは猪木さんの引退試合よりも入ってましたね。一番入ってました。
山口:飯伏さん、その時は新日の応援だったんですか?
飯伏:完全に新日でしたね。
柴田:会場に来れないよね? まだちっちゃいから。
飯伏:ですね。まだ中一くらいの頃でしたね。
山口:あの時の橋本真也はしびれましたよね。橋本真也が一番輝いていた。
柴田:取り戻したわけですよね。流出していたIWGPを。
◆少年時代から行き過ぎたプロレス特訓!
山口:プロレスって、見る方とやる方で二つに分かれると思いますけど、どのタイミングでやる方に心が傾いたんですか?
飯伏:五年生のときですね。見てから一ヶ月後には、プロレスラーになるためにトレーニングをしていました。
山口:どんなトレーニングをしていたんですか?
飯伏:情報を集めて、雑誌に載ってるスクワットを……
山口:ああいうの、3000回とか5000回とか書いてましたよね(笑)
飯伏:それをなんとか自分なりにやろうとして、限界までやりました。
山口:昔のプロレスっていろいろ過剰に書いてるじゃないですか。東スポに載ってたのは、小橋(建太)さんが蟹に乳首を挟まれてたり(笑)
飯伏:なんですかそれ(笑)
柴田:飛行機の中でスクワットとか、ゲーセンの中でとか。
山口:蟹が小橋さんの乳首を挟んで、そういう写真が東スポに載ってたんですよ。
飯伏:それはなんですか、強くなるためにってことなんですか?(笑)
柴田:蟹との阿吽の呼吸ね(笑)
山口:飯伏さんはそういう特殊特訓はやってましたか?
飯伏:特殊特訓だらけでしたね。異常なものがないとプロレスラーにはなれない、と。
山口:飯伏さんの中で、今振り返ると変態チックだと思った特訓はありましたか?
飯伏:えー、どれだろう(笑)……死にかけたのはいっぱいありましたね。
山口:え……たとえばどんなことですか?
飯伏:一番死にかけたのは、記憶はないんですけど、岩をロープでぐるぐる巻きにして、ロープを足首に結んで、友達に「川に落とせ」と。5mくらいあるんですけど、自力で上がれないとプロレスラーになんかなれないし、と思って。特訓だと思ってやってもらったんですけど、やってみたら、まったく動けない(笑)
山口:死にそうじゃないですか(笑)。
飯伏:友達が心配で見に来たんですけど、見に行ったら、僕が失神してると(笑)それでロープを切ってくれて。
山口:おぼれたんですか?
飯伏:おぼれてたみたいですね。全然覚えてないです。
柴田:沈んでたの?
飯伏:普通に倒れてました。
山口:そういうの、なかなかできないですよ……
飯伏:そういう系が多いですね。どれだけ高いところから飛べるかとか、そういうのが多いですね。常に挑戦したくなるというか。
山口:チャレンジ精神が旺盛なお子さんだったんでしょうか?
飯伏:もともと「自分が絶対に一番だ」というのがあったんです。
山口:かけっことか、学校の中の行事に対するこだわりもありましたか?
飯伏:それもありましたね。負けたくない、って。
山口:脚は速い方ですか?
飯伏:速い方です。運動神経はよかった方だと思います。
山口:学生時代は何かスポーツをやってたんですか?
飯伏:水泳と、高校時代にラグビーですね。
山口:ラグビーは、ある意味プロレスの基礎作りみたいな感じですか?
飯伏:ほんとにそうです。プロレスのためにやってました。
山口:じゃあタックルも「かましたれ」みたいな?
飯伏:そうですね。
山口:プロレス流のタックルで……
飯伏:基本、投げですね(笑)
山口:ラグビーって投げることないじゃないですか(笑)
飯伏:ふつうはないんですけど、やっちゃうんですよ。
柴田:それ、反則で退場ですよね?
飯伏:反則退場も何回もありましたけど(笑)
山口:飯伏さんって、今のプロレスラーの枠をはずれた奇想天外な位置にいらっしゃる気がするんですが、そういう土台が小さなころからあったんですね。
飯伏:小さい時のほうが絶対ヤバかったと思います。
山口:友達にも「頭大丈夫か?」とか言われたんですか?
飯伏:周りもおかしかったです(笑)
山口:プロレスラーになろう、みたいな。
飯伏:思いっきり殴り合うとか、普通にやってましたね。友達なのに、それが普通というか……
柴田:類は友を呼ぶんだね……
飯伏:それはわからないですね(笑) でも、そうでしたね。
山口:小さなころからプロレス一本はぶれなかったんですか?
飯伏:ぶれなかったですね。一度も。
◆全日四天王・女子プロ・デスマッチ!
山口:その間テレビもやってますけど、新日をずっと見ていたんですか?
飯伏:新日をずっと見てました。全日も見てましたけど、四天王のころですね、ちょうど。
山口:四天王ならだれが好きですか?
飯伏:三沢さんを一番応援してましたけど、川田さんも好きでしたね。
山口:川田さんのどこが良かったんですか?
飯伏:川田さんの、受け方ですね!
山口:体が小さくても、全身で受けて、何でも来いと、そんな感じですか?
飯伏:川田さんにはなんか特殊な受け方があるんです。それをまねしましたね。
山口:好きなのは三沢さんだけど、ファイトスタイルやプロレスごっこは川田さんを意識しながら。
飯伏:川田さんも、入ってましたね。
山口:もともとプロレス全体がお好きなんですね。
飯伏:全部見てました!
山口:女子プロも見てました?
飯伏:女子プロは……そこまではまらなかったですね。
山口:男子プロレスはここまで見れるけど、女子プロは見ない、って人もいるので。
飯伏:完全に男子プロレスですね。
山口:デスマッチは見たことありますか?
飯伏:デスマッチも見てました。僕が見ていたころは「リングの魂」とか流れてて、IWA JAPANってやばかったとか、大日本プロレスはやばいとか、ビデオを借りて見て、そういうのが多かったですね。
山口:自分がデスマッチの中でイメージすることとかってありましたか?
飯伏:デスマッチは……違いましたね。
山口:肌感覚としては違うな、って感じでしょうか。
飯伏:やるかやらないなら、やらない。これは別物として見てましたけど、友達に「俺の好きなプロレスラーってすごいんだぞ」って見せるとき、一緒にデスマッチも見せてました。
山口:プロレスはすごいんだぞって、幅の広さを教えるために。プロレスって幅が広いですからね。
飯伏:いろんなものがプロレスになるので。でも、デスマッチもプロレスですよね。
山口:なかなかデスマッチができる人って限られますね。
柴田:デスマッチが好きじゃないとできないでしょうね。
山口:人間的にハマるタイプがあるんでしょうかね?
柴田:大日本ではデスマッチをやりたいって入ってくる人が多いみたい。でも、デスマッチって(飯伏さんと)共通しているところがあるような気がするけど……
飯伏:いやー、デスマッチとはまた違いますね。血がダメなんです。
山口:あまり流血したことはない?
飯伏:出てますね(笑)、試合ではあまり出てないですけど。
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