出自知る権利検討で初会合 慈恵病院と熊本市

熊本市の慈恵病院で開かれた、子の出自を知る権利の保障に関する検討会=2日午後

 病院以外に身元を明かさず出産する「内密出産」を導入している熊本市の慈恵病院は、同市と共同で、子の出自を知る権利の保障に関する検討会の初会合を2日、病院で開いた。出自情報の保管や開示手続きなどの課題を整理し、来年12月に報告書をまとめ、国に提言する方針。

 検討会の意見交換は非公開で実施。会合後、報道陣の取材に応じた文京学院大元教授の森和子座長(68)によると、委員からは「出自を知りたい子が権利を行使できるようにすることが福祉の役割だ」などの意見が出た。内密出産などを利用する女性の境遇にも議論が及び、支援の必要性が改めて指摘されたという。

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