【実録】親が熟年離婚!子どもが受けたこんな影響 #1「必死に堪えた言葉」

自分が家を出て自立してから両親が離婚、「やっぱり」と思うか「まさか」と思うか、子どもたちの受け止め方はさまざまです。

親に離婚する意思があることを知っていてもいなくても、家族である以上自立していても影響は避けられないのが現実。

親の離婚そのものより、それにまつわる事態の変化に疲れてしまうという人もいます。

親が熟年離婚したことでどんなことが起こったのか、実録でご紹介します。

「僕は一人っ子で、厳しくしつけようとする母親と、それを止める父親の姿をずっと見て育ちました。

父親は母に『もっと自由にさせてやれ』と言うけれど無視されていて、冷めた雰囲気のリビングで居心地が悪かった記憶ばかり残っています。

両親の仲が決定的に悪くなったのは僕の高校進学のときで、友達みんなと同じ公立高校に進みたかったのに母親は私立高校の推薦を勝手に受け、それを知った父が『いい加減にしろ!』と真っ赤な顔で怒鳴ったのをよく覚えています。

それでも母は『この子のためだから』と譲らず、僕も仕方なくその私立に進みましたが、両親は完全に家庭内別居状態になり。

僕の世話は母親がするけれど、『一刻も早くこの家を出なければ』と私立大学合格を目指して猛勉強しました。

僕がこの家を出れば親は離婚するのじゃないかな、と思っていたけれど、大学在籍中はそんなことはなく、僕の就職が決まった年に、母から電話で『お父さんと離婚するから』と言われました。

『ああそう』という返事しか出なかったのですが、問題はここからで、母は僕と暮らしたいと言うのですよね。

就職したばかりだし今さら母親と同居とかどう考えても無理で断ったら、『昔みたいにあなたの世話をするから』『親が大変なのにひどい』と泣かれてしまい、『その家で僕がどんな思いで過ごしてきたかわかるか』と言いたくなるのを必死に堪えましたね……。

母はもう50代、専業主婦だったから働きに出るのが難しいと言うけど、そんなの自分の選択だし僕の責任ではない。『実家に帰れば』の一点張りで通しました。

母は僕との同居を諦め結局実家に戻りましたが、電話がかかってきてもスルーするときが多いですね、愚痴ばかり吐かれるので。

ひとり暮らしを始めた父とは連絡する機会が増え、今度上京してきたら一緒に観光する予定です。

熟年離婚は親の勝手。身勝手な理由で子どもを振り回すのはやめてほしいです」(男性/25歳/薬剤師)

離婚するからといって子どもに同居を迫るのは、筋が違うと感じます。

子が独立しているのをあてにする熟年離婚は、新しい負担を一方的に負わせようとすればこうやって拒否されることが多く、失敗する可能性が高いといえます。

こちらの男性が言う通り離婚は親の勝手であれば、その責任までみずからが背負う覚悟が親には必須。

子の感慨と親のそれはまったく違うときがあるのが現実です。

(ハピママ*/ 弘田 香)

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