豪雨被災 真備の復興願う大輪花火 追悼5年祭 支援団体活動に区切り

復興5年祭で被災地の夜空を彩った花火

 2018年7月の西日本豪雨で被害を受けた倉敷市真備町地区で2日、被災地の夜空を花火で彩る「豪雨災害追悼復興5年祭」が開かれた。復旧、復興を後押ししてきた主催団体のNPO法人・災害支援団Gorilla(ゴリラ、岡山市)は同地区での活動を今回で区切りとし、全国で新たに発生する災害への支援に力を注ぐ。

 同町川辺の高梁川河川敷では日中に黙とうや和太鼓の演奏があり、午後8時前から2500発の花火が打ち上げられた。赤、緑、ピンクなど色とりどりの大輪がはじけるたび、見上げる住民らから歓声が湧いた。

 復興祭は同法人が被災住民に交流の場を提供しようと19年から開き4回目。同町の自宅が全壊した住民(76)は毎回訪れるといい、「来るたびに元気がもらえ、また頑張ろうという気持ちになれる」と話した。

 同法人は、豪雨直後に人命救助や避難所での炊き出しを行った自営業の茅野匠代表理事(50)=岡山市南区=が友人ら約10人と19年3月に創設。復興祭のほかにも公費解体の対象外となった浸水家屋の撤去や、子どもの遊び場づくりなど、生活再建から心のケアに至るまで被災者に寄り添い続けてきた。

 災害から間もなく5年を迎え、これからは復興活動の主体を住民に引き継ぐことが大切と判断。年内に同町有井の事務所を引き払い、岡山県内に新たな拠点を設ける方針だ。

 西日本豪雨後、台風や大雨で被災した九州、東北地方で食料支援などを展開してきた。今後も全国の被災地を舞台に真備町地区で培ったノウハウを生かしていく。

 茅野代表理事は「考えられる支援を全力で行った5年間だった。これからも地域の要望があれば応援しに行きたい」と話していた。

会場で住民らと交流する茅野代表理事(中央)

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