水戸市民会館開館 萬斎さんら迫力演舞 野平さんがピアノ開き

「三番叟」を演じた和泉流・野村萬斎さん=水戸市泉町(同市提供)

水戸市民会館の開館を祝う記念式典が2日、同館グロービスホール(大ホール)で開かれた。市民ら約2千人が訪れ、狂言師の野村萬斎さんによる「三番叟(さんばそう)」や日本を代表するピアニスト、野平一郎さんのピアノ開きミニコンサートを楽しんだ。ユードムホール(中ホール)では14日に始まる舞台の稽古が公開された。

野村さんによる「三番叟」は古風な様式を多くとどめた神聖な演目。特別な記念の催しなどで披露され、五穀豊穣(ほうじょう)の願いが込められている。梅の花がモチーフの音響反射板が壁に施された大ホール内に鼓の音や、かけ声、舞台を踏みならす足拍子が響き、迫力ある演舞が来館者を魅了した。

ピアノ開きミニコンサートでは、設置したピアノの選定について野平さんが解説。幅広い利用者が使うことを考慮し「バランスの良い楽器を選ばせてもらった」と説明した。野平さんは、ドビュッシー作曲の「アラベスク第1番」など3曲を演奏した。

同市宮町、学生、渡部由成さん(22)は「狂言は迫力があり、ピアノは聞き心地が良かった」と余韻に浸った。

14~17日上演の舞台「ファンファーレ!!~響き続けた吹奏楽部の物語~」のリハーサルは今回が初公開。出演者が楽器をチューニングする場面が披露された。中ホールの舞台上の動線や設備を確認したり、台本の内容を擦り合わせたりする「舞台裏」も紹介した。約340人が見入った。

出演者の黒河内りくさん(23)は「練習で積み上げてきたものを発揮できた。『希望』の作品を、たくさんの人に見てほしい」と来場を願った。同舞台は、新型コロナウイルス禍で奮闘する高校の吹奏楽部員を描いた群像劇。水戸女子高(同市上水戸)吹奏楽部が作品のモデルになった。

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