任命拒否の6人、新候補にせず 学術会議、「前回対象」方針維持

日本学術会議の梶田隆章会長=4月、東京都港区

 日本学術会議がまとめた次期の新たな会員候補者105人に、2020年に菅義偉首相(当時)が任命を拒否した6人が含まれていないことが3日、関係者への取材で分かった。6人は、20年の前回改選時に任命されるはずで、次期候補者に加えると政府の任命拒否方針を追認することになるのが理由。前回の候補者として会員にすべきだとの考えを維持する。

 学術会議は、今年9月末で任期が終わる会員に代わり、新たに加わる会員を選考している。6月29日に開かれた幹事会で、任命拒否された6人を含まない会員候補の名簿をまとめた。

 幹事会後の記者会見で、梶田隆章会長は、6人は20年10月から任期が始まるはずだったと説明し「その方針に変更はない」と述べた。名簿は今月16日に開かれる総会で示される予定。

 学術会議は科学者の代表機関とされ、会員は政府への政策提言や科学者同士の連携を深める活動などを中心的に担う。会員は210人。任期は6年間で、3年ごとに半数を入れ替える。

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