【東京女子】辰巳リカ&渡辺未詩が挑む7.8大田区大会、“白昼夢”試練の大一番!

東京女子プロレスが7月8日(土)、東京・大田区総合体育館にて開催するビッグマッチ『SUMMER SUN PRINCESS ’23』のPRに辰巳リカ&渡辺未詩の両選手がプロレスTODAY編集部に来社。

「白昼夢」としてタッグチームを組む2人は、それぞれシングルマッチの大一番に挑む事となった。

渡辺未詩は坂崎ユカが負傷欠場する代役として、ナイラ・ローズとのシングルマッチが決定した。

またインターナショナル・プリンセス選手権王者の辰巳リカは、愛野ユキとの防衛戦を迎える。

大一番を控える2人に試合への意気込み、心と身体のバランスの整え方、互いの試合についてそれぞれの見解、譲れないもの、白昼夢としての今後の展望、世界とつながる東京女子プロレス、そして坂崎ユカの卒業について、多岐に渡る内容で話を聞いた。

『SUMMER SUN PRINCESS ’23』
日時:2023年7月8日(土) 開場13:00 開始14:00
会場:東京・大田区総合体育館

渡辺未詩(ナイラ・ローズとのシングルマッチに向けて)試合への意気込み

▼第六試合 スペシャル・シングルマッチ20分一本勝負
ナイラ・ローズ vs 渡辺未詩

――7月8日、東京大田区総合体育館で開催する「 Summer Sun Princess ‘23」について各試合についての意気込みからうかがっていきたいと思います。渡辺選手は今回、ナイラ・ローズ選手とのシングルマッチが決定しました。坂崎選手の欠場からスライド登板という形にはなってしまいましたが、現在の心境、意気込みをお聞かせください。

渡辺 まず、ナイラ・ローズさんはAEWでも最前線で活躍している方なので、もちろんユカさんとのアメリカでの試合とかも動画で見ていたので、とんでもない人が来るという印象で、「ユカさんと戦うのを見れるのが楽しみ」と最初は思っていたんですけれども、まさかこんな形で自分が戦うことになるとは思ってもみませんでした。その分、ユカさんにも世界にも恥じないような試合にしたいと思います。

――ナイラ・ローズ選手はパワーファイターですが、渡辺選手も日本屈指のパワーファイターとして、今回はパワー対決が楽しみです。

渡辺 今までインターナショナルの防衛戦とかでいろいろな海外の人とは当たったんですけれども。そのタイプの方々ともまた違ったような、力の使い方だったり、体型だなっていうのを動画で感じていたので、私のパワーがどこまで届けることができるのかと、ちょっとビビってはいるんですけど、できることなら自分のパワーをぶつけて勝ちたいなと思います。

――渡辺選手のパワーの源みたいなところっていうのは、どういったところから出てくるんでしょうか?

渡辺 気づいたらパワーがあったので(笑)とはいえ、やっぱりプロレスラーになって「自分パワーあるんだ?」っていうのに気づいてからは、いっぱい鍛えるように、いいところを伸ばせるようにというのをやってきているので、できることなら回したい(ジャイアントスイング)という気持ちもあるんですけど。でもそれだけではない、今の自分にできる最善を尽くして戦いたいなと思います。

――対戦相手のナイラ・ローズ選手も最初は坂崎選手のことを意識して想定していたと思いますが、渡辺選手がスライドで戦うことになって、まだ相手にもそんなに情報がいってないのではないかも知れません。

渡辺 そうですね。

――そういう意味では多分見た目の印象と、すごいパワーに相手もびっくりするんじゃないかと思います。

渡辺 確かに私のことをまだ多分相手が知らない分、私は逆にユカさんと戦っているのとかを見ていたので、そういう意味ではユカさんと比較してどのサイズ感なのかとかそういうのを今見ながら研究しています。そして驚かせたいです。

――ぶん投げるのも、ぶん回すのも渡辺選手の魅力だと思うので、パワー対決楽しみにしています。

渡辺 頑張ります。

②辰巳リカ(王者として愛野ユキとの一戦に向けて)試合への意気込み

▼セミファイナル インターナショナル・プリンセス選手権試合 30分一本勝負
<王者>辰巳リカ vs 愛野ユキ<挑戦者>
※第10代王者4度目の防衛戦。

ーーセミファイナルでインターナショナル・プリンセス選手権試合が行われます。今回、王者、辰巳リカ選手が愛野ユキ選手の挑戦を受けるという形になりました。この一戦に向けて意気込みをお願いいたします。

辰巳 私は次の防衛戦が4度目になるのでまだまだ防衛ロードを加速していきたいので、絶対負けるわけにはいかないです。相手が旧知の間柄のユキでタッグでも何度かタイトルマッチはしたことはあるんですけれども、シングルでタイトルマッチをするのは初めてなのでどうなるのかなという楽しみが今とても大きいです。

――前哨戦対決でも愛野ユキ選手が本当に燃えていて、挑戦者決定戦を制して上がってきた選手だからこそ負けた選手の気持ちも背負って勝たないといけないという気持ちをぶつけてくると思いますが、そのあたりはどうですか。

辰巳 絶対、このベルトをどんな手を使ってでも欲しいと思っていると思います。ユキが成長してきた分、私も成長して防衛戦も重ねてきているので油断せずに「ここは譲れない」という気持ちで一瞬の隙も作らないつもりです。

――辰巳選手はキャリアを重ねるごとに隙がない選手になってきているし、安定感というのがあると思います。ドラゴン殺法も完全に自分のものにされましたね。

辰巳 できているんでしょうか。

――気迫が相まって技に魂がこもっているように見えます。

辰巳 今、このベルトを手にして団体のベルトを3つとも巻いた唯一の選手となり、ようやくホワイトドラゴンとして君臨できていると思い始めたので今は自信があります。

――今は充実期のような感じですかね。

辰巳 そうなのかもしれないです。

――だからこそチャンピオンとしての防衛ロードですね。

辰巳 はい。余裕ではないですけど、結構落ち着いています。

――王者の佇まいが発言からも感じます。

辰巳 分からないですけど(笑)

――そして挑戦者の愛野選手は熱いファイトを仕掛けてくるタイプです。

辰巳 そうですね。ただ、私もそこは負けない部分を持っていると思います。そこでどちらも譲らず、一瞬でも冷めてしまったら、もうそこが落ち度になると思うので、ずっと熱狂していきたいです。

――その熱狂を持続するのはすごく大変だと思うんですね。自分のいい調子を常にキープしておかないといけないですし。

辰巳 そうですね。

©東京女子プロレス

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③心と身体のバランスの整え方

――時には力を抜いて自分の身体も休めないといけないと思うんですけれども。心と身体のバランスの取り方というのは、チャンピオンとしてはどのように整えていますか。

辰巳 試合中ですか?

――試合中やオンとオフなんかも教えてください。

辰巳 私はオンとオフが0か100なタイプです。試合や練習中は100って感じなんですけれども、オフがゼロで無になります(笑)

――(笑)オフは寝てたりするんですか?

辰巳 消えてしまいます(笑)

――消えちゃう(笑)ご自身に対して力をあまり入れないというか、そういう感じですか。

辰巳 そうですね。低電力で生きてます。

――できるだけ省エネで生きているんですね。

辰巳 そういう感じです。出せるときに出すタイプで、それがいいのか分からないですけれども、それが合っているようです。

――そういう戦い方の方が長年培ってきた試合への挑み方というところが一番ベストという感じなんですかね。

辰巳 いいペースなのかもしれないですね。

――ご自宅で身の回りのこともやらなければいけないと思います。コンディション作りのために睡眠や食事、トレーニングも必要だと思いますけれどもどのように過ごしていますか。

辰巳 そうですね。最低限はやるんですけれども、そんなに特別なことはしていないのかもしれないです。きちんとバランスよく3食摂って生きてはいないかもしれません。雑に生きているかもしれません。

――なるほど、試合が決まったらコンディションを合わせるのですね。

辰巳 一応、しっかり意識はしています。

――不思議で面白い、でも辰巳選手らしいお話をうかがえて良かったと思います。渡辺未詩選手はオンとオフの作り方はどうしていますか。

渡辺 逆に割とずっとオンでいます。

――全く正反対ですね。

渡辺 ずっとオンですね。基本、休みたくないんです。毎日何か予定がないと嫌になってしまうんです。

――常に起きていたいタイプですね。

渡辺 起きておきたいタイプです。絶対にずっと身体を動かしていたいぐらいの感じです。

――それはプロレスをやる前からですか。

渡辺 やってからです。

――運動に関してはやってからスイッチが入ったんですね。

渡辺 そうですね。

――知らず知らずのうちに動かしている感じなんですか。

渡辺 そうですね。予定がないととりあえず「身体動かすか」という感じです。

――ずっとオンの状態って疲れたりはしないんですか。

渡辺 でも、不思議と大丈夫です。

――やっぱり基礎体力みたいなのがあるんでしょうかね。

辰巳 むしろ止まったら死んじゃうような感じかもしれませんね。

渡辺 確かにそれかもしれないです。

――マグロみたいな感じですかね。

渡辺 そうかもしれません。

――渡辺選手はエネルギッシュで試合ぶりにそういう姿が出ているという感じはします。辰巳選手は試合の中で自分の持っている情念みたいなものがすごく試合に出てくるようなタイプだと私は思っています。試合を見ていても女の執念というか、そういうドラマ性を出してくれるから見入ってしまいます。

辰巳 ありがとうございます。

――選手によってそれぞれ全然みんなタイプが違うので、面白いそういう試合の見せ方と絶対負けないというスタイルが身体の奥のところからファンに届いている気がしますね。

辰巳 はい。

――これからもそういう部分はどんどん出してください。

辰巳 そうですね。変わらず出していきたいです。

④お互いの試合についてそれぞれの見解

ーーお互いの試合についての見解を教えてください。まず、辰巳選手から、今回ナイア・ローズ選手と対戦する渡辺未詩選手の試合の見解はいかがでしょうか?

辰巳 最初はユカちゃんとの試合が決まっていて変更になったんですけれども、すごくチャンスだと思いますので、ナイア選手が来る時もすごく話題にもなっていたし、みんなも期待しているだろうし、そこに未詩が選ばれたというのは団体からも期待されていると思います。プレッシャーには負けないようにできる子だとは思いますので、思い切りぶつかって話題をかっさらってほしいと思います。私も負けないように行きます。

渡辺 頑張ります。

――対して、渡辺選手は今度、愛野ユキ選手との一戦を控えている辰巳リカ選手の試合にはどのような見解をお持ちでしょうか。

渡辺 まずは防衛してほしいというのは第一にあります。でも、リカさんだったら絶対に防衛して大田区を終わるだろうという景色が、もう図まで見えているので割りと安心はしています。とはいえ、前哨戦を見てい中で、ユキさんの「今だ!」という時に出てくる炎のようなすごい気持ちを見て、この2人の戦いはすごく楽しみですし、普段から仲がいいからこそのぶつかり合いがすごく楽しみです。

――エプロンでのスリリングな攻防をされてらっしゃったので、あのあたりも怖いですよね。

辰巳 私なら何をやってもいいみたいなのもあるかもしれないので、ちょっと怖いなとは思います。

――やはり愛野選手もベルトを取るためにいかなる手段にも出そうですね

辰巳 遠慮せずに来るのかなと思いますので。

――今、そういうところが怖い部分でもありますよね。

辰巳 でもそこを跳ね返すのが私だと思うので全部跳ね返します。

渡辺 さすが。

――不死鳥のように戻ってくる体力作りは、どのような秘訣があるのでしょうか?

辰巳 どうなってるんでしょう。言葉にするのは難しいです。感覚というか。

――でも、もう無理だろうというときにすごく粘り強いじゃないですか。

辰巳 本当にあと一手遅かったら負けていたなというのも感じるので、いつもギリギリで闘っています。

――でも、そのギリギリ感がファンとしては正直言って面白いです。「どっちが勝つんだ?」というところで本当に不死鳥のように蘇ってきますよね。

辰巳 はい。自称、”不死身のドラゴン”です。

――本当に言語化しにくいんですけれどもそういったものはいつも見ていて感じます。

辰巳 本当に負けたくないという気持ちだけですかね。

⑤譲れないもの

ーー普段から負けず嫌いですか?

辰巳 普段は本当に平和主義者です。競いたくないです。みんな仲良くファミリーみたいな感じがいいです。

――例えば食事をオーダーする時に2人が食べたいものが残り1個だとして、私も食べたい、いや私も食べたいとなった場合はどうしますか?

辰巳 食べます(笑)

渡辺 (笑)確かにそれは。

――そこは譲らないですか?

辰巳 どうしても食べたかったら譲らないです。

――それは譲らないんですね。言ってみればそれがベルトですよね。

辰巳 そうですね。でもなるべく競いたくはないです。平和に解決しようとはします。

――ジャンケンしようとか?

辰巳 それとか、スピーチして「ちゃんと譲って」みたいな(笑)

――きちんと相手を納得させた上で譲っていただくと。でも、プロレスラーにとってすごく大事なこだわりというか、そこはあると思いますね。

辰巳 はい。

――面白いですね。渡辺選手は今みたいなシーンだったらどうなりますか。

渡辺 残り一つですか。

――残り一つです。

渡辺 でも、割と私は優柔不断でいつも大体どちらか迷ってのほうが多いので、逆に決めきれないので「じゃあいいよ」となるかもしれないです。

――白昼夢はそういった違いがうまく合っているんですね。

辰巳 違いますね。

渡辺 違います。

――その違いがうまく重なっているからコミュニケーションもうまくいっているんでしょうか。

渡辺 正反対だからこそ合っているのかもしれないです。

辰巳 お互いが補っているのかもしれないです。

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⑥白昼夢としての今後の展望

――次の質問は白昼夢として今後の展望というところも含めてなんですけれども。白昼夢というのは、お二人長く組まれていますが、最初は辰巳選手が渡辺選手をかなりリードしていたと思いますけれども、今はお互いのコンビネーション的にはどちらがチームリーダーではないですけど、引っ張っていく感じでしょうか。

渡辺 それはリカさん。

辰巳 最初は一応おねえさんだし引っ張っていかなきゃという気持ちが強かったんですけれども。このベルトをかけて3月に有明で未詩とタイトルマッチをやってから余計に同等というか完璧になりました。

渡辺 うん、うん。

辰巳 それまでそんなに差があったとは思わないですけれども。最近はぴったり一緒に歩幅を合わせてやっていけてるかなと思います。

――それは渡辺選手がものすごく成長したと感じたんじゃないですか。

辰巳 思いますね。

――あの試合を通じてもそうだし、前哨戦対決もあの時すごくぶつかっていましたし。

辰巳 本当に戦いたくない相手でした。でも、戦ってみたいという興味の方が勝ってしまったので実現したんですけれども。

――直接戦うことによってお互いの存在感もそうだし、より相手の長所も見られたのではないかと思うんですよね。それはすごくお互いにとってあったんでしょうね。

渡辺 プラスになりました。

辰巳 よく知れた試合にもなったなと思います。相手の凄さがズシンときました。

――やってみてどうでしたか?

渡辺 リカさんの怖さであったり、何をしてくるか分からない部分や、気持ちを、いつも横から見ていたのとは違って正面から一対一でという空間はすごく大きいものを得ることができました。

――白昼夢としてこれから先に関してこういう風にしていきたいという考えはありますか。

渡辺 白昼夢として、やはり再びタッグのベルトは巻きたいなと思いますし、それこそこの前、挑戦がなくなってしまったので、また機会があれば挑戦したいなと思います。

――辰巳選手はいかがですか。

辰巳 私も同じくですね。とにかく今すぐタッグのベルトが欲しいという気持ちが大きいです。この前もマジラビ(坂崎ユカ&瑞希)とのタイトルマッチがなくなってしまったので権利はあると思うんです。

――確かに。それは間違いなくありますね。

辰巳 今、タッグベルトが返上になって空いているところなので、「そこに一番に行ける権利あるんじゃね?」と思っています。これで違うチームがいったら…

渡辺 確かに。

――その権利は確かにありますよね。

辰巳 あると思います。

渡辺 これで全然違うところで挑戦者決定戦がおこなわれたら…

辰巳 それは「なにぃ?」ってなるのでそこはちょっと物申したいなと思います。

⑦世界とつながる東京女子プロレス

ーータッグ戦線には外国人選手も絡んできました。マックス・ジ・インペイラー選手などが入ってくることによって東京女子の世界観のようなものが新しいワールドに広がっていってるような気がします。なおかつ、東京女子の皆さんがまさかあんなモンスター的な選手と対戦するなんて最初は思っていなかったですけど、実際にそういう世界との対戦がちょっとずつ増えてきていますが、その辺りはいかがでしょうか?

辰巳 ありがたいですね。

――それはもう、ご自身としてはウェルカムですか。

辰巳 ウェルカムです。

――もっとそういう外国人選手との戦いもやっていきたいですか。

辰巳 やっていきたいですね。私もインターナショナルのチャンピオンでもあるので。海外選手ともやりたいですし、所属の選手ともやりたいです。変なルールでもやってみたいです。

――変なルールもいろいろありますけど。

辰巳 プリンセス・オブ・プリンセスのトップのベルトは正当法の試合なのかなと思うんですけれども、こちらは自由にしてもいいのかなと思うので、そういうこともしていきたいです。

――王者色に染めて自由なベルトにするんですか。

辰巳 フリーダムで。

――ちなみにどういう試合形式だったらやってみたいですか。

辰巳 内緒ではあるんですけど。簡単なところか分からないですけれども、例えばエニウェア・フォールですとか。

――ツーカウントマッチとか?

辰巳 そうですね。

――そういう少しルールも変えた、自分色に染められるようなベルトにしていきたいというイメージなんですね。

辰巳 そう思っています。

――面白いですね。

辰巳 ダメと言われるかもしれないですけれども。個人的にはそういう考えがあります。

――新しいルールをかけて対戦するみたいなのも今のマット界では結構受け入れられるような状況になってきたのかなと思います。ですので、そういう王者の主張というのは個人的にはすごく面白いなと思いました。

辰巳 何か変なことをやっていきたいなと思うので。

――変なことというのはどんなことですか(笑)

辰巳 特殊なことです。

――そういうことを考えていらっしゃると。

辰巳 そうですね。

――渡辺選手はそういう海外勢との対戦についてはいかがですか。今回ももちろんナイラ選手との一戦もありますけれどもそれ以外の。

渡辺 やっぱりいろいろ知らない世界を見られるし、アメリカに4月に行った時も見てくれるファンの皆さんから全然日本とは違うものが見えたので、そういうものをもっと知っていきたいし、体験していきたいと思います。

――外国人選手とコンタクトしたり、対戦するときや組むときもあるかも分からないですけど、お二人は英語力はいかがでしょうか?

辰巳 しゃべれないですけど、コミュニケーション能力は長けています。

――渡辺選手はどうですか?

渡辺 私は日本語でコミュニケーションを。でも、十分心で伝わります。フィーリングで。

――お二人はそういう気持ちとフィーリングでいけるということですね。

辰巳 参戦してくれている選手たちと遊びに行ったりして友達になっています。日本を満喫して帰ってもらっています。

――何となく伝わりますもんね。

辰巳 そうですね。

――来日外国人選手に喜んでもらって、また「東京女子楽しかった」というのが世界に伝わって、より凄い外国人選手が来たり、外国のファンの方が見に来てくれたら嬉しいですね。

辰巳 そうですね。日本を好きになってほしいですし。

――ジャパニーズカルチャーと東京女子はすごく合っているような感じがしますけど、そのへんはいかがですか。

渡辺 確かに来る選手来る選手、割と日本の文化が好きで、アニメが好きとか抹茶が好きとか、そういう部分ではこちらもアニメ好きという得意分野の人がいるので、日本を代表して日本案内をしています。

――アイドルという文化があるじゃないですか。

渡辺 アイドル好きの方にはまだ選手では会っていないです。

辰巳 広めたいです。

渡辺 はい。広めたいです。

――アイドルというワードは向こうも通じるんですかね。

渡辺 そうですね。BABYMETALとかは伝わりますね。

――そういう文化を発信していくというのも面白いですよね。

渡辺 はい。

――お2人はこれからもそういう世界の人たちとの戦いを通じて、世界中のファンを魅了していくようなタッグチームになってみんなを巻き込んでいって、ファンも呼んできてほしいですね。

2人 はい。頑張ります!

➡次ページ(坂崎ユカが12.1後楽園で卒業、大会へ向けてメッセージ)へ続く

⑧坂崎ユカが12.1後楽園で卒業

©東京女子プロレス

――東京女子を代表する選手の1人である坂崎選手が卒業が発表されました。まだ12月まで先の話なんですけれども、現時点でお二人が感じていることとか、その発表を聞いてどう思われたのかとかその辺りも伺いたいなと思います。

渡辺 結構衝撃的だったというか、驚いた部分はあったんですけれども。数年前から海外に行く機会が増えて、いつかは「おかえり」って当たり前に帰ってこなかったらどうしようみたいな不安を感じたことはすごく前にあったんですけれども。逆に毎回帰ってきてくれるから、すごく安心しきっていて、ずっとユカさんは東京女子で最前線にいてくれると思っていたので、そのへんはちょっと油断していたなという気持ちでした。

去年のトーナメントでユカさんとシングルした時に「超えて」というような声をたくさんもらったんですけれども。夏から今にかけていろいろ考えた上で超えるとかではなく追いつきたいと思い直すようになって。横に並んで東京女子プロレスを加速させていきたいと考え直すようになったこのタイミングで、12月までしか時間がないなと思うと焦ります。そういう部分では、この大田区での一戦とか、こういう毎回毎回の試合でユカさんが安心して、ユカさんが東京女子をここまで多分大切にして大好きだからこそという部分が大きいと思うので、そういう部分でもより安心してより東京女子大好きだなって思って旅立ってもらえるようにしっかりしたいなと思います。

――辰巳選手はもう付き合いも長いと思いますし、そのあたりも踏まえて今回の発表はいかがでしたでしょうか?

辰巳 最初聞いたときはもちろんびっくりしたんですけれども、いつかはそうなるのかなとも思ってはいたので、でも「嫌だ」が大きかったんですけれども。今はなかなかユカちゃんがいなくなるということが想像できていなくて、あまり考えないようにしているんです。向き合うのが怖いんです。

©東京女子プロレス

――まだその事実に向き合えてないという感じなんですね。

辰巳 はい。

――世界に通用したというところが本人にとっても大きな自信にもなったと思うんですよね。

辰巳 私はユカちゃんとは同期で一緒に東京女子にも入って、入った当初からか分からないですけど、世界を視野にはずっと入れていたようには感じていて、世界に飛び立つのかなと感じていたので、その面ではすごく応援したいですし、期待もすごく持っています。ただ、いなくなるのが想像できないのでまだ向き合えていないです。

――実際にその日が訪れると、皆さんこみ上げるものが来るんでしょうね。

辰巳 はい。

――どんな卒業を迎えるのか、またその後どういう活躍をしてくれるのかというのは本当に東京女子のファンの皆さんも応援していると思いますので、日本発で世界で活躍するというのはプロレス界にとってもとてもいいことだと思います。そういった部分では、特に今AEWマット、WWEもそうですけど、女子選手の活躍が近年著しくすごくなっていますよね。それがもっと日本のニュースになってほしいなと思います。海の向こうで坂崎ユカの名前を轟かせてほしいなと思いますね。

辰巳 思います。楽しみではあります。

――また、どこかのタイミングで戦う機会もあるかも分からないですからね。

©東京女子プロレス

辰巳 マジラビと試合ができなくなってしまったので、それが卒業までの最後かなと思っていたんですけれどもなくなってしまったので、その試合はいつになってもやりたいなと思います。

渡辺 そうです。12月以降だとしても。

辰巳 勝手に私達が向こうに行ってもいいですし。

――それいいですね。向こうに行くというのも全然いい話ですよね。

辰巳 来てもいいですし。それだけは揺るがずに考えます。

――物語が人の気持ちを成長させるという部分もあると思うので、スタートから同じだというところに何かそういう物語が始まっていると思うので、プロレス界は本当に何があるか分からないので、そういう部分がファンにも夢を与えられるのではないかと思いますよね。

辰巳 いい面で夢を与えたいですね。何でもできるというところをプロレスで見せたいです。

――そういうのがプロレスの力になって皆さんにパワーを与えてくれると思うので、ぜひそういったところも今後期待したいと思います。

辰巳 はい。

⑨大会へ向けてメッセージ

――最後に大会に向けてのメッセージをいただければと思います。

渡辺 東京女子の夏の始まりの恒例となった大田区総合体育館なので、この一戦、私はちゃんとこの機会を掴んで、世界にもユカさんにも自信を持って見せられるような、自分のパワーを存分に出していきたいなと思うので、ぜひたくさんの方に大田区でまず最高の夏の幕開けにしていただきたいなと思います。

辰巳 この『Summer Sun Princess』はもう毎年恒例になって、私も東京女子もビッグマッチを何度も重ねてきているので絶対見逃してほしくないですし、個人的には大切なベルトをかけた試合もあるので、そこも絶対まばたきせず、でも暑いので水分補給はしっかりして大勢の人に見てほしいのでなるべく足を運んでほしいなと思います。

――お二人の熱いメッセージをいただいて、きっと7月8日東京大田区総合体育館大会は、燃えに燃えまくる東京女子の大会になるのではないかと思っていますので、楽しみにプロレスTODAYでも大応援しております。

渡辺 ありがとうございます。

辰巳 お願いします。

2人 ありがとうございました。

<インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)>

『SUMMER SUN PRINCESS ’23』
日時:2023年7月8日(土) 開場13:00 開始14:00
会場:東京・大田区総合体育館

<全対戦カード>

▼オープニングマッチ 長野じゅりあ復帰戦 20分一本勝負
鈴芽&遠藤有栖 vs 宮本もか&長野じゅりあ

▼第二試合 20分一本勝負
桐生真弥&猫はるな&HIMAWARI&鈴木志乃 vs 鳥喰かや&凍雅&風城ハル&大久保琉那

▼第三試合 20分一本勝負
水波綾&角田奈穂 vs 上福ゆき&朱崇花

▼第四試合 15分一本勝負
バートビクセン vs 乃蒼ヒカリ

▼第五試合 3WAYタッグマッチ 20分一本勝負
中島翔子&ハイパーミサヲ vs アジャコング&らく vs マックス・ジ・インペイラー&原宿ぽむ

▼第六試合 スペシャル・シングルマッチ20分一本勝負
ナイラ・ローズ vs 渡辺未詩

▼第七試合 15分一本勝負
山下実優 vs ソーヤー・レック

▼第八試合 20分一本勝負
沙希様&メイ・サン=ミッシェル vs 荒井優希&上原わかな

▼セミファイナル インターナショナル・プリンセス選手権試合 30分一本勝負
<王者>辰巳リカ vs 愛野ユキ<挑戦者>
※第10代王者4度目の防衛戦。

▼メインイベント プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合 30分一本勝負
<王者>瑞希 vs 伊藤麻希<挑戦者>
※第12代王者3度目の防衛戦。

◆大会詳細は公式サイトにて

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