標準宅地の変動率全国最低 人口減や津波懸念、和歌山の路線価

田辺税務署管内で最高価となった田辺市中万呂礫坂線(3日、和歌山県田辺市新万で)

 和歌山県の和歌山税務署は今年の県内路線価を公表した。標準宅地の平均価格は前年に比べて1.2%下がり、31年連続下落となった。2年連続で全国最低。地域経済の基盤が弱いことや、人口減少や高齢化が進行していること、津波災害への懸念などが影響しているとみられるという。

 県内で継続的に調査している標準宅地3790地点のうち、141地点で上昇したが1728地点で下落した。横ばいは1921地点。大きく下落した地点はないが、下落地点が多いことが影響したという。

 路線価は、国税庁が定めた主な道路に面した土地の1平方メートル当たりの評価額。

■8年連続で新万 田辺管内の最高

 県内の最高路線価は、27年連続で和歌山税務署管内の和歌山市友田町5丁目(JR和歌山駅前)。1平方メートル当たり36万円。価格は10年連続で横ばい。

 田辺税務署管内は田辺市新万(市道中万呂礫坂線)が最高で9万4千円だった。2016年に田辺市湊のJR紀伊田辺駅前を上回って以来、8年連続で最高値となった。津波被害が想定されていない高台で利便性が高いことから需要があるとみられる。ただ、20年以降は横ばいとなっている。

 この他の5税務署管内ではいずれも昨年より下落した。

 路線価は、23年まで7年分を国税庁ホームページで閲覧できる。

最高路線価

© 株式会社紀伊民報