9カ月前倒し閉館 滑川・タラソピア

天井ボードが落下した深層水プール=6月、滑川市のタラソピア

  ●天井ボード交換に2500万円

 滑川市の水野達夫市長は3日、市役所で会見し、臨時休館中の深層水体験施設タラソピアを5日で閉館すると発表した。6月24日に天井ボードが落下し、ボード全体の交換に約2500万円を要する見積もりを受け、来年3月予定から9カ月早い廃止を決断した。今後、市は施設の解体を視野に入れ、来年3月までに活用の方向性を示すとした。

 タラソピアは1998年10月、滑川市沖の海洋深層水を生かした歩行浴や寝湯、打たせ湯などを楽しめる施設としてオープンした。2019年8月に入館者の累計が70万人を突破したが、水野市長は今年3月、近年の利用者低迷や設備の老朽化を理由に、今年度末で廃止する方針を示していた。

 市によると、滑川海洋深層水は日量2千トンをくみ上げ、市と富山県水産研究所(同市)が千トンずつ使用できる。タラソピアや、ほたるいかミュージアムなど市の具体的な使用量は明らかになっていないが、タラソピアは一定の割合を占めるとみられ、施設と深層水の活用策が廃止後の重要課題となっている。

 水野市長は会見で、「非水産分野で深層水の利活用に関して計画を立て、実施していきたい」と話した。

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