いじめ、学校超え根絶を 早期対応へ意見交換 茨城県対策連絡協

県いじめ問題対策連絡協議会に参加する協議会メンバー=笠間市平町の県教育研修センター

いじめ防止の施策推進や関係機関・団体との連携を図る「茨城県いじめ問題対策連絡協議会」(会長・柳橋常喜県教委学校教育部長)の定例会議が3日、同県笠間市平町の県教育研修センターで開かれた。協議会メンバー29人が出席し、「いじめの深刻化を防ぐ社会総がかりの取り組み」をテーマに、学校を超えた対応の在り方について話し合った。

県教委高校教育課の高野太一課長補佐が県内のいじめの現状と対応について報告。国公私立小中高校と特別支援学校のいじめ認知数は計2万2874件(2021年度)。このうち、いじめが解消している割合は85.2%に上った。いじめ発見のきっかけは、5割超が各校で実施されたアンケート調査だった。高野課長補佐は、いじめの疑いを迅速に把握し、専門家などの第三者の視点を含めた対応が必要と指摘した。

県弁護士会の二井矢旬子弁護士は、いじめの重大事態は時間が経過するほど調査が難しくなる点を指摘。早期発見・早期対処のため、いじめの定義が広がった経緯について解説した。

出席者からは「子どもたちの小さな変化を見逃さず早期に対応することで、学校での組織対応につなげたい」「被害者だけでなく、加害者側との会話も必要。学校だけではいじめ問題は解決できない」など、さまざまな意見が出された。

協議会は14年度に発足。20年4月1日施行の「県いじめの根絶を目指す条例」でも設置が定められ、教育、法務、福祉関連などの32の機関・団体で構成される。協議された内容は県教委ホームページに掲載される。

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