「がん封じ寺」の御利益を 惟喬親王から授かった秘法が由来 コロナ明け4年ぶり開催

藤井住職から「がん封じ」や健康成就の祈祷を受ける参拝者たち(京都府京丹波町出野・長源寺)

 「がん封じ寺」として古くから信仰を集める京都府京丹波町出野の長源寺で2日、傷病平癒を祈願する「観音まつり」が営まれた。参拝者は自身や家族の健康を願い、祈祷(きとう)を受けた。

 同寺は平安時代前期、文徳天皇の第1皇子、惟喬(これたか)親王が出家して全国を行脚した際、世話になった出野の民衆に対する礼として、がん封じの秘法を授けたのが由来とされる。まつりは毎年7月の第1日曜に開かれ、全国各地から参拝者が訪れるが、新型コロナウイルスの影響で4年ぶりとなった。

 参拝者は一人ずつ藤井宗洋住職から声をかけられながら祈祷を受け、病気の治癒や日々の健康を祈った。薬草などを煎じた「がん封じ茶」の振る舞いや、境内に置かれた七夕のササに、無病息災やぼけ封じなどの願い事を書いた短冊を飾る催しもあった。

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