被災の幼稚園が再開 1カ月ぶり、笑顔で登園 茨城・取手の双葉地区

登園が再開したつつみ幼稚園で、職員に手作りのプレゼントを手渡した園児(右、画像の一部を加工しています)=3日午前8時39分、取手市双葉

台風2号や梅雨前線の影響による大雨で600棟近くが浸水した茨城県取手市双葉地区の認定こども園「つつみ幼稚園」で3日、3~5歳児の受け入れが再開した。約100人の園児は、登園を出迎えた職員たちに「おはようございます」と笑顔であいさつ。被災を免れた2階の部屋に集まり、約1カ月ぶりに明るい声を響かせた。

同園には1~5歳児の111人が在籍。先月3日に床上浸水して一時休園を余儀なくされ、同園職員などが全面再開に向けて復旧作業を進めている。

これまでは地区外の施設を間借りして分散保育をする一方、半数近くの園児は自宅待機。現在も園舎1階や別棟の保育室、行事やイベントを開くホールは使えないままで、1~2歳児の分散保育も続いている。

この日は、午前8時ごろから園児が続々と登園した。職員から「久しぶり。背が伸びたね」と話しかけられて照れ笑いを浮かべたり、久しぶりに会う職員にプレゼントを渡したりする園児の姿が見られた。

長男を預ける酒本恵美さん(44)は「子どもはずっと楽しみにしていた。親としてもうれしい。全面的な再開が待ち遠しい」と期待した。

年少を受け持つ職員の北村裕子さん(39)は「久しぶりの登園で不安そうな子もいたが、すぐに友達同士で仲良く遊んでいた。頑張って失われた時間を取り戻したい」と語った。

今後の修理の日程などは未定だが、千葉和子理事長(81)は「子どもの笑顔を見ると、こちらも笑顔になれる。早く全員を迎えられるよう努力する」と前を向いた。

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