茨城県内路線価 TX守谷駅前、大幅上昇 郊外型、コロナで注目

路線価上昇が続くTX守谷駅西口のロータリー周辺=守谷市中央

関東信越国税局が3日公表した茨城県内路線価で、守谷市のつくばエクスプレス(TX)守谷駅西口ロータリー(同市中央1丁目)が前年から11.8%上昇した。新型コロナウイルス禍で郊外型生活が送れる守谷が注目を浴びたとみられ、不動産関係者はこの状況は当面続くと予測する。

「ここ1、2年で再び高騰している。2、3カ月で急に(価格が)上がっても売れてしまう。私たちもびっくりだ」。地元で不動産業を営む飯塚勇治さん(56)は、市内の土地の状況を語る。

同駅から秋葉原駅までは最短32分。同駅は始発も多く、都内への通勤・通学の利便性は高い。関東鉄道常総線と交差するターミナル駅でもあり、県内のTX各駅では最も乗降客が多い。

飯塚さんは、流山市や柏市など千葉県のTX沿線エリアを挙げ、「供給できる土地がほとんどないのは守谷も同じ。だから引く手あまたの状態」と説明する。TX守谷駅周辺にあったコイン駐車場は、ここ数年でホテルやマンションなどに変わったという。

同駅西口ロータリーの路線価は2017年分から7年連続で上昇。急激な伸びには一長一短があるものの、飯塚さんは「土地があれば売れる。特にコロナ禍で守谷に目を向ける人が増えたのでは」と続伸の要因を指摘する。市内では、守谷駅から2キロ圏内のエリアも高い人気で、常総線沿いにも波及効果があるという。

市は路線価上昇について、都内へのアクセスの良さに加え、「これまで進めてきた教育の充実や自然の多さなどの住環境が評価されている」としている。

同駅西口の路線価上昇について、不動産鑑定士の羽場睦夫氏は「守谷のポテンシャルが顕著に表れたと言える。守谷駅周辺では売る土地がないため不透明な部分もあるが、現段階ではこの傾向は続くだろう」と話した。

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