半世紀の歴史に幕 中野サンプラザ閉館

「中野区のシンボル」として、そして「音楽の殿堂」として、半世紀にわたり愛された中野サンプラザが7月2日、惜しまれつつ閉館しました。

特徴的な三角屋根、駅からすぐ目に入る真っ白な外壁。中野のランドマークとして親しまれてきた「中野サンプラザ」。その歴史は古く、誕生は50年前の1973年です。当時は、集団就職で上京した若者のための「全国勤労青少年会館」という施設名で、ボーリング場やプールなどが併設されていました。

中でもコンサートホールは国内外数多くのアーティストが公演を行い、「音楽の殿堂」と呼ばれるほどに。区民だけでなく全国の多く人たちに親しまれてきました。しかし、老朽化や駅前一体の再開発のため、建て替えが決定。最後の営業日となった7月2日は、それぞれの思い出を胸に、多くの人たちが集いました。

お別れに来た人:「ここで30年前に結婚式をあげたのでここに来させて頂きました。きのうニュース見てきょうでおしまいっていうことで「行こうか」と。すごく思い出が詰まっていて久しぶりに来てみて懐かしいなと」

元中野区民:「成人式をここでやったんですね。今は埼玉に住んでいるんですけど、50年でなくなっちゃうって聞いてわざわざ来まして。今考えると今じゃなくってもっと前にやっておけばよかった。ちょっとそれが心残りでしたね」

ハロプロファン:「これは「モーニング娘。'23」なんですけど、毎年ここでお正月とか夏とかコンサートを行ってた場所。ハロープロジェクトのファンにとっては聖地なので、ギュッと思いが詰まってます。寂しいです。なんか泣きそうですよ、もう」

午後9時を過ぎ、クロージングのセレモニーが始まり、最期の時が迫ります。

サンプラザ中野くん:「どうぞサンプラザを忘れることなく、新しい中野を楽しみにしようではありませんか」

50年の歴史に幕を閉じた中野サンプラザですが、5年後の2028年度に「NAKANOサンプラザシティ」として、生まれ変わる予定です。駅前や区役所と共に再開発される新施設は、地上61階、高さ262メートルの高層ビルが建ち、商業施設や、最大7000人収容の大ホール、そして、ホテルやマンション、オフィスなどが入る複合施設となる予定です。

© TOKYO MX