斜面地の空き地を交流拠点に させぼ山手研究会が発足1年 新たな「広場」整備も計画

空き地を季節の花々で彩り、拠点づくりをする地域住民ら=佐世保市白南風町(させぼ山手研究会提供)

 斜面地を生かしたまちづくりを研究する市民グループ「させぼ山手研究会」が発足から1年を迎えた。人口減少が進む中、目指すのは「人の行き来があり、コミュニティーを守れる地域」。新たな活動拠点を整備中で、人が集まる場所づくりを継続していく。
 研究会は、JR佐世保駅近くの白南風町を再生モデル地域としてにぎわいの拠点をつくっている。空き地の所有者から了承を得て「みんなの広場」として整備。季節の花々を近所の人たちと植え、誰もが出入りできる場所にした。空き家も同じように交流拠点として活用している。
 本年度は別の空き地を地域で共有し、二つ目の「みんなの広場」として整備する計画だ。研究会のメンバーで佐世保高専の元教員、牧野一成さん(64)を中心に活用策を思案し、第1弾として星空観察を8月に予定。メンバーの松尾俊さん(75)は「何も手を打たなければ地域が廃れかねない」と危機感を抱いており、拠点づくりを続けて坂の上の暮らしを守っていく。
 斜面地が抱える難題にも向き合う。斜面地では車が横付けできない狭い道に面した家が珍しくない。研究会のメンバーは緊急車両が入れないことを不安視。今後、地域を歩いて現状を把握するなどして生活者の視点から意見をまとめることを考えているという。

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