「苦しみやつらさを少しでも伝えたい」 高校生が描く「原爆の絵」完成 被爆者の証言を基に制作

被爆者の証言を聞き取って高校生が描く「原爆の絵」の完成披露会が3日、開かれました。

広島市の基町高校では2007年から毎年、被爆者の証言をもとに原爆の絵を制作しています。今回は、去年10月から創造表現コースの生徒9人が被爆者5人とともに取り組んでいました。

12歳のときに爆心地から3.5キロで被爆した 笠岡貞江 さん(90)の体験を描いた絵もあります。

笠岡さんは終戦後、焼け跡の校庭で亡くなった生徒の骨を拾いました。しかし、なんの感情もわかなかったといい、「この場面を描いてほしかった」と語ります。

笠岡貞江 さん
「今の子どもたちは何も知らないから証言するときに絵を使って説明したら納得する。なかなか難しい絵を描いてもらった」

絵を描いた基町高校 3年生 大道葵 さん
「感情をなくすほどのつらさや苦しみがあったということをこの絵を通して少しでも伝えられたら」

完成した絵は、8日に基町高校の文化祭で一般公開され、広島・原爆の日の8月6日からは広島国際会議場(広島市中区)でも展示されます。

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