南高梅の魅力を動画で発信 紀州みなべ、1年間の栽培や加工作業を紹介

和歌山県みなべ町農業振興協議会が制作した梅PR動画の画面

 日本一の梅産地、和歌山県みなべ町で生産される「南高梅」の魅力を幅広い世代に伝えようと、町内の農業者でつくる町農業振興協議会(廣村勝利会長)は、南高梅の特徴や1年間の栽培、加工の作業工程について紹介する動画を制作した。動画投稿サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルや、町のホームページ(HP)で公開している。

 南高梅は同町で誕生した梅のブランド。周辺の田辺・西牟婁や印南町も含め、地域の経済を支えているが、近年、生産の担い手や収穫など繁忙期の労働力不足が大きな課題となっている。このため、次世代を担う子どもや若者たち、他地域の人たちにPRするために作った。撮影を含む制作は田辺市の業者に委託した。

 撮影は、2021年6月に梅の実の収穫から始めた。その後、品質や大きさでの選別、塩漬け、天日干し、草刈りと防除、栽培管理で重要な枝の剪定(せんてい)、接ぎ木、ネット張りなど、年間の基本的な作業風景を撮影。それに加え、情報通信技術(ICT)やロボット技術を取り入れた「スマート農業」による作業のほか、子どもたちの収穫体験の様子も撮った。

 完成した動画は、タイトルが「紀州みなべの南高梅を後世に引き継ぐ」。再生時間は14分で、テンポの良い音楽と映像で始まり、ナレーションとともに作業風景が順番に流れる。それぞれの作業シーンでは、協議会の委員や援農者たちが内容を紹介。総勢約60人が出演し、インパクトのある動画に仕上がっている。

 協議会はユーチューブやHPでの発信に加え、ふるさと学習などで活用してもらおうと町内の小中学校にDVDを届けている。各種団体にも活用してもらえるよう呼びかけたいという。

 廣村会長(50)は「先人から受け継がれてきた栽培技術を次世代に引き継ぐため、1年間の作業を分かりやすく、かっこよく伝えたいと思って制作した。ぜひ見てもらいたい」と話している。

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