産廃設置の取り消し命じる、広島 地裁、生活環境に配慮せずと

広島地裁前で「勝訴」などと書かれた紙を掲げる原告側=4日午後

 広島県三原市で運用が始まっている産業廃棄物最終処分場を巡り、周辺の住民ら12人が広島県に処分場の設置許可取り消しを求めた訴訟の判決で、広島地裁は4日、設置を許可したのは違法だとして、県に取り消しを命じた。

 処分場はJAB協同組合(東京都)が建設。吉岡茂之裁判長は判決理由で、JABの生活環境影響調査は地下水の利用状況や水質調査の設定に関し、環境省の調査指針にのっとっておらず「正確な把握が欠けている」と指摘。この調査を基にした設置計画が生活環境の保全に適正に配慮したと判断するのは相当ではないとし、県の許可は違法と結論付けた。

© 一般社団法人共同通信社