演奏と料理楽しむ「音楽会」盛況 真備、文化施設内の飲食店

マービーカフェで開かれた初回の音楽会

 倉敷市真備町箭田の文化施設・マービーふれあいセンター内の飲食店「マービーカフェ」が、プロの演奏と地元産食材を使ったビュッフェ形式の料理を楽しむ「音楽会」を始めた。2018年の西日本豪雨で被災した地元住民らの交流の場をつくり、コミュニティー再生につなげる。

 ジャズやクラシックの生演奏に耳を傾け、思い思いに料理を楽しむ。5月27日夜、マービーカフェ。初の音楽会は30人の聴衆で満席の盛況だった。

 地元出身のピアニスト橋本里香さん(39)=同市=が、自身が同センターに寄贈したピアノで流麗な演奏を披露。料理は地元産のタケノコを使った中華ちまきや煮物、鶏肉のオーブン焼きなど約40種が並んだ。家族と訪れた総社高2年生(16)は「きれいな音色とおいしい料理で気持ちが和んだ」と話す。

 同カフェは中山悍慈さん(77)=同市=ら住民有志が、地域の交流の場を増やしたいと昨秋から不定期で営業。グループの依頼や同センターの催しなどに応じて店を開け、地元産食材を中心とした料理や飲み物を提供している。

 「文化施設のカフェとして、芸術の力で住民らを癒やし、結びつける場を提供したかった」と中山さん。新型コロナウイルス禍の影響もあり、地域の交流が失われる中、橋本さんから寄贈されたピアノを生かして音楽会を企画した。

 今後も定期的に開催する方針で、他の楽器演奏も行いたい考え。「被災後にいろんな人に助けてもらった。真備の元気な姿を発信し、恩返ししたい」と真備出身の副店長・丸川和子さん(59)=同市。8日からは毎週土曜日の定期営業も始め、にぎわいづくりへ一層の貢献を目指す。

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