岡山で「動くゴッホ展」開幕 CGで動きや立体感 不思議な空間

CG技術で動きや立体感を出したゴッホ作品に見入る来場者

 画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90年)の作品にCG技術で動きや立体感を持たせたデジタルアートの展覧会「親愛なる友フィンセント~動くゴッホ展」が4日、岡山市北区下石井の杜(もり)の街グレースで開幕した。映像や音楽で演出された不思議な芸術空間が広がっている。8月25日まで。

 37歳で亡くなるまでわずか10年の画家人生で生み出した約2千点のうち、絵画約860点を映像として展示。

 動く絵は24点あり、縦4メートル、横5.8メートルのスクリーンに投影した代表作「星月夜」は星空が渦を巻いてうごめき、制作時に療養中で不安定だった精神状態が読み取れる。まばたきをして口にくわえたパイプから煙が上がる自画像や、風に吹かれたように揺れ動くヒマワリもある。

 訪れた自営業の男性(42)=岡山市中区=は「友人との関係悪化や貧困など生前は報われなかったゴッホの苦悩が伝わってきた。一度にたくさんの作品が見られて得した気分」と満足そうだった。

 両備ホールディングス、OHK岡山放送、山陽新聞社の主催。午前11時~午後6時(金曜日は午後8時まで)。

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