ノーヘルで歩道をすいすい! 電動キックスケーターのルール緩和に「パリ見ろ」の声

都会を中心にシェアリングサービスが普及

最近街でもよく見かけるようになった電動キックスケーター(立ち乗りの二輪車)。7月1日より道路交通法の改正により、ルールが大幅に変更となった。主な変更点は下記の4つ。

・運転免許が不要(16歳以上)に
・最高速度が20キロに
・ヘルメットの着用が努力義務に
・時速6キロ以下に設定すれば歩道走行可

LUUPなどのシェアリングサービスを使ったことのある人ならわかるのだが、この変更は大きい。免許が不要となることで利用手続きが大幅に簡略化される上、複雑なルールゆえに違反を取られることも多かったが、その点数加算もなしに。懸念されていたヘルメットも着用義務となった。さらに歩道走行まで……。

自転車並みの手軽さとなったことで一層の普及が予想されている。読売新聞オンラインによると「大手量販店は5万円前後で販売しているが、ヨドバシカメラ梅田店(大阪市北区)では、新ルールの導入が公表された今年1月以降、スケーターに関する問い合わせが倍増した」のだとか。便利で安価な移動手段が増えるのはいいことに思えるが――。

■電動キックスケーター先進国フランス・パリでは9割の住民がNO

今年の4月、「フランスの首都パリでレンタル電動キックボード禁止の是非を問う住民投票が行われ、90%以上が禁止を支持した」とCNNが報じた。ヨーロッパの中でも早く、‘18年に電動キックスケーターのシェアリングを受け入れたパリ。’22年は200万人以上が利用したと言われるほど普及していたが、ルールを守らない運転による事故の増加、放置キックスケーターによる景観への影響などが問題視されていた。そこで、パリのイダルゴ市長は上記の住民投票を実施、結果を受けて規制を強化する方針を明らかにした。

交通量の減少など期待されるメリットはあるものの、《歩道でスピードを落とす人がどのくらいいるだろう》《無法者達で滅茶苦茶な状態になっていく》《自転車ですらルールもマナーも守れないのに事故とか増えると思うけど》など、SNSで不安の声が上がっている。

条件付きながらパリでも許されていない歩道走行を認めた上、自転車道の整備も進んでいない日本なのに、こんなにゆるーいルールで大丈夫?

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