仙台市初の不登校特例校がこの春開校 地域に支えられながら子どもたちが学ぶ

様々な事情で学校に通えなくなった子どもたちを受け入れ、それぞれに合った学びを提供する不登校特例校が、仙台市にこの春開校しました。地域の人に支えられながら、子どもたちが学んでいます。

太白区に開校した仙台市初の不登校特例校、ろりぽっぷ小学校。様々な事情で学校に通えなくなった子どもたちが少し緊張した様子で、出会いの会(入学式)に臨みました。
ろりぽっぷ小学校高橋元気校長「日本に1つだけ、世界に1つだけのみんなでつくる学校、そういったものを目指していきたいなと思っております」

文部科学省が指定する不登校特例校は、子ども1人1人の実情に配慮して国の学習指導要領にとらわれず教育課程を柔軟に編成できる学校です。
ろりぽっぷ小学校では、太白区坪沼地区の自然を生かした体験学習のほか、進度に合わせた学び直しなどそれぞれの児童に合った学び方を子どもと保護者、教員が一緒になって作り上げていきます。
みんなでカードゲームをしたり、ひとり静かに昆虫の世話をしたり。1年生から6年生まで17人が思い思いに過ごしています。

仙台市初の不登校特例校

2021度、全国の不登校児童は約8万人と過去最多を記録しました。国は特例校の設置を進めていますが、現在設置されているのは公立私立計24校。そのうち、小学校は5校にとどまっています。

開校から約3カ月。この日は、坪沼地区で行われるイベントに向けて地域住民と一緒に竹あかりづくりが行われました。
小学2年生「最初は怖かったけど、やってみればめっちゃ楽しかったです」

4年生の夏休み明けから次第に学校に行けなくなり、ろりぽっぷ小学校に転校した5年生のTくん。絵と工作が得意ということもあり、見事な出来栄えです。
Tくん「100点中92点位です。ちょっと難しかったです」
Tくんの保護者「枠が無くって自分がどこにいても何をしてても周りが認めてくれるというか、多分それがすごく大好きなので。毎日楽しんで通ってます」
Tくん「友だちがいっぱいできたし、いろんなところが自由なので楽しいです」
坪沼振興会加藤和彦会長「(不登校特例校の開校は)もちろん大歓迎でしたし、久しぶりに子どもたちの笑い声が聞こえてきて本当にうれしくてしょうがないことですね」

地域のイベントで交流

イベント当日。神社には、琵琶の音色と子どもたちが作った竹あかりで幻想的な空間が広がっていました。
その後行われたホタルの鑑賞会。特例校の子どもの姿も見られました。
「服とかにいっぱい付いてきれいだった」「(ホタルを)初めて見た。きれいって思った」
ろりぽっぷ小学校高橋元気校長「地域の方がとても温かく関わってくださるので、私たちも地域の方に元気を与えられるような存在になっていきたいですし、地域の方のよりどころとなるような場所がこの学校になったらいいなと思ってます」

仙台市の2021年度の不登校児童の数は714人と過去最多。約72人に1人の児童が不登校となっています。
不登校などの相談窓口である仙台市のNPO法人にも、児童の不登校についての相談が増えているといいます。
NPO法人アスイク大橋雄介理事長「最近は小学生のご家庭から不登校の相談というのが増えている傾向がありまして、特に低学年のお子さんたちの相談が増えているという実感がありますね」

不登校特例校の意義

不登校特例校は、子どもたちの居場所づくりや学びの選択肢を増やすきっかけとして意義があると述べます。
NPO法人アスイク大橋雄介理事長「これからろりぽっぷ小学校のようなところが先進事例として注目されていって、他の地域にもそれぞれの特色を持った特例校がどんどん増えていくという流れになってくるとすごくいいんじゃないかなと。お子さんが学びたい学び方で学べるような選択肢というのがたくさん増えていくっていうことが理想なんじゃないか思います」

ろりぽっぷ小学校高橋元気校長「どこにも相談できなかったりとか苦しんでいらっしゃる方っていうのが多くおられるかと思いますので、是非お問い合わせいただければと思います」
ろりぽっぷ小学校では、不登校になりやすい長期休暇の前後も含め年間を通して児童を募集しています。

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