「聡太君をまねして」「験担ぎ」藤井七冠の勝負飯“カツハヤシ”に2倍の注文=静岡・沼津市

静岡県沼津市で7月3日に開かれた将棋の棋聖戦第3局では藤井聡太七冠が勝利し、タイトル防衛に王手をかけました。ランチに選ばれた「勝負飯」と持ち帰りの「おやつ」を提供した店では、藤井七冠と同じものを食べようと、朝から多くの客でにぎわいました。

分厚いトンカツに秘伝のデミグラスソースをかけた老舗洋食店・千楽北口店の「カツハヤシ」。3日、藤井聡太七冠が「勝負飯」に選んだのが、このスタミナメニューです。

<千楽北口店 大竹浩司シェフ>

「今回、忙しくなるのを見込んで材料だけは用意してあるので、もしお昼に売り切れた場合は、お昼の営業終了後に同じ量を作ります」

これまで将棋のタイトル戦では、藤井七冠が選んだメニューは売り上げを伸ばす傾向がありました。千楽でもカツハヤシの売り上げアップを見込んで、普段の倍に当たる120~140皿分の材料を準備。4日は休憩をなくして追加のカツハヤシを作るといいます。

<千楽北口店 大竹浩司シェフ>

「実際に選んでもらって本当かなってびっくりしましたね。市の担当者から連絡があったんですけど、なに冗談言ってるんだよって最初に言っちゃいましてね」

また開店前には、うれしい知らせが。

<沼津市の職員>

「きのうの皿をお返しします。藤井聡太さんですが、完食されたとうかがいました」

<千楽北口店 大竹浩司シェフ>

「よかったです」

うれしい驚きはお店の前でも。藤井七冠が食べたカツハヤシを求めて、開店前から多くの人が並びました。開店直後から、厨房は大忙しです。

<常連客>

Q.きょうはどうしてカツハヤシにした?

「聡太君をいつも見てるから。応援してるから」

「聡太君のまねしてるっす」

<三島から来た人>

「験担ぎで。いいことが起こるといいなと思います」

こちらの店では、ランチタイムの3時間だけで通常の2倍に当たるカツハヤシ84皿の注文を受けました。

<千楽北口店 大竹浩司シェフ>

「このままいい流れで勝ち進んでくれるとうれしい」

一方、おやつに選ばれたのは、三島市のALBELOの「至極のガトーショコラ」。こちらでも藤井七冠の影響が色濃く表れていました。

<ALBELO 佐野正汰郎シェフ>

「朝からたくさんご予約のお電話をいただいていて、午前中は普段の2~3倍のものが売れました」

対局中の食事に選ばれたことで、お店の売り上げを一気に変える藤井七冠の底知れぬ“パワー”。王手をかけた棋聖4連覇を果たせるか、大一番の第4局は7月18日に新潟市で行われます。

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