熱い中元商戦 電気高騰で涼感注目 金沢の百貨店

  ●アイス、そうめん人気

 金沢市内の百貨店で中元商戦が本格化している。今年は電気代高騰を受け、涼感があり暑さ対策にもなるアイスやそうめん、水ようかんなどが例年以上に人気となっている。コロナの5類移行後初めての中元シーズンを迎え、店頭では4年ぶりに試食を再開するなど、需要を喚起している。

 官公庁や一部の企業でボーナスが支給され、初の週末となった1日、香林坊大和、金沢エムザの中元ギフトセンターには、多くの家族連れが訪れた。両館ともに8、9日にピークを迎えると予想する。

 香林坊大和は今年、暑さ対策にもなるアイスの品ぞろえを増やし、マルガージェラート(能登町)のセットが売れている。

 1番人気は地元産品から3種類を選べる「北陸こづつみ」で、のどごしが良い「氷見うどん」も引き合いが強いという。

  ●客単価わずかに上昇

 中元全体の売り上げは前年並みで、客単価はわずかに上昇。創業100周年を記念したオリジナルパッケージの商品も用意し、担当者は「大手メーカーの商品ではなく、地元の銘品を選ぶ人が多い」と話した。

 今年はギフトを郵送でなく手渡しで贈るために、商品を持ち帰る人が目立つという。

 金沢エムザでも、石川の銘菓や加工食品、地酒など3種類を選べる「金沢小箱」が根強い人気となっている。そうめんや水ようかんなど涼しげな商品を手に取る人が多い。「夏を愉(たの)しむ!」をテーマにした商品をそろえ、バーベキューなどで使える和牛のセットも売れた。

 同館では、全国送料無料のギフトを210点用意している。今年は物価高の影響もあって、送料について尋ねる来店客が多く、「早割」の期限となった2日は多くの人が訪れた。

中元用の商品を選ぶ来店者=1日、金沢市内の百貨店

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