関東大震災時の土砂崩落で生じた震生湖(秦野市、中井町)近くのハイキングコースで、県の花・ヤマユリが見頃を迎えている。白い大きな花や甘く濃厚な香りが訪れた人を楽しませている。
ヤマユリは秦野中ロータリークラブ(RC)が2009年秋ごろから同市平沢のコース上の一部を「ヤマユリの里」として植栽活動をしている。同RCの柳川賢治さん(80)によると、自身の幼少期にはあちこちに自生していたが、里山の荒廃で減少したため、復活への取り組みが始まったという。
300個の球根と2万粒の種を植えてから約14年。球根の盗難や鳥獣被害といった苦労があったが、外周にネットを張り、ボランティアの協力も得て整備を進め、現在は7月上旬に600本ほどの花を咲かせるようになった。
9日午前10時からは初の市民向け観賞会が行われる。同RCの三浦義政会長(51)は「コロナ禍も落ち着き、ようやくここまで来られた。自然環境の保護や整備の大切さを知るきっかけにしてほしい」と来場を呼びかける。