木おけ再利用、家庭でますずし作れます 黒部・宇奈月「ヒロ助」、冷凍セット考案

木おけを再利用できるますずしの冷凍セットを紹介する此川さん

 ますずしを食べた後に残る木おけを使い、再びますずしを作って楽しめる冷凍セットを、富山県黒部市宇奈月町浦山の「ます寿司屋ヒロ助」が発売する。県内のますずし店で木おけの不足が問題となっていることから、同店を運営する食品企画Kon.社長の此川裕之さん(52)が考案。「家庭でますずしを作り、子どもたちが富山の食文化を知るきっかけになるといい」と期待している。

 ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で木材の調達が困難になり、県内のますずし店で木おけが不足。プラスチックや紙製に替えた店もある。ます寿司屋ヒロ助は木おけを使っているものの、今後の供給に不安が残るほか、客から「おけを捨てるのがもったいない」との声が寄せられたため、木おけを再利用できる仕組みができないか考えた。

 浮かんだアイデアが、家でますずしを作るセットだ。木おけ、ふた、笹、冷凍のマスと酢飯をまとめて販売。マスと酢飯を解凍し、木おけに載せてますずしを作る。食材だけの販売もあるため、一度購入した木おけを再利用できる。おけは10回ほど使えるという。

 クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」で6日まで扱い、その後、8日から店頭と通販サイトで販売する。価格は食材と木おけのセットが1700円、冷凍のマス1100円、冷凍酢飯180円など(送料別)。

 此川さんは「今あるものを大切に使うようにしてもらいたい」と話している。

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