サイキックパワーを持つ子ども 無垢な遊びが狂気に変わる 「イノセンツ」予告

2023年7月28日より劇場公開される、「わたしは最悪。」でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト監督によるサイキックホラー「イノセンツ」の、30秒予告が公開された。

解禁された予告は、両親と重い自閉症でまったく言葉を話せない姉アナとともに、緑豊かな郊外の団地に引っ越してきた9歳の少女イーダに、同じ団地の別棟に住むベンが「いいもの見たい?」と声を掛けるところから始まる。無邪気に森の中で遊び始めるベンとイーダ。イーダの構えた木の棒の方に向けてベンが力を込めると、真っ二つに木が折れ、二人は大興奮する。実はベンは心の中で念じただけで、小石などの物体を動かすことができる特殊な能力を持っていたのだ。その魔法のような力に驚いたイーダは、たちまちベンと親しくなる。

大人たちの目が届かないところで、サイキック・パワーのテストを繰り返していく2人。しかし、他人を自在に操れるようになったベンのネガティヴな想念が暴走。想念はふくれ上がり、過激になっていく。「やめてママ!」とおびえるアイシャ、突如吠え出す犬、指に抵抗して曲がる水、額から血を流す女性、ガラスを手で握り滴る血、倒れ込む少女といった映像が映し出される。

日本版ビジュアルは、ヨアキム・トリアー監督作「わたしは最悪。」も手がけた、アートディレクターの石井勇一が担当。重力に反して逆さまになった少年少女が住む団地とブランコの前に、仰向けでブランコに乗る少女の姿が不穏にたたずむビジュアルに、ところどころ半転した「大人には、秘密。」の文字が描き出されている。

「イノセンツ」は、ノルウェー郊外の住宅団地を舞台とした作品。夏休みに友達となった4人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試すうちに、奇妙なことが起こりはじめる。

監督を務めたのは、「わたしは最悪。」でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト。ヨアキム・トリアー監督の右腕として、これまで「母の残像」「テルマ」「わたしは最悪。」の脚本をトリアー監督と共同で手がけてきた。「イノセンツ」はフォクト監督の長編二作目で、大友克洋の漫画「童夢」からインスピレーションを受けて作られたという。2021年の第74回カンヌ国際映画祭では「ある視点部門」に正式出品され、2022年のノルウェーのアカデミー賞と称されるアマンダ賞では、監督・撮影・音響・編集の4部門受賞した。

【作品情報】
イノセンツ
2023年7月28日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ロングライド
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