子どもの体験活動の格差、世代間で連鎖 民間団体調査

スポーツや音楽、農業体験など、学校外での体験活動に参加していない児童の保護者も経験が少なかったことが4日、公益社団法人チャンスフォーチルドレンが公表した調査で分かった。世帯年収が低い家庭の保護者ほど、幼少期に体験活動の経験が少なかった傾向も浮かび上がった。

調査は2022年10月にウェブ上で実施し、小学1~6年生の保護者がいる2097世帯が回答した。学校以外の時間にやる球技や音楽、キャンプ、農業体験などを体験活動と設定。物価高騰や新型コロナウイルス禍を背景に、体験活動を諦めざるを得ない世帯が増えていたことを受け、世帯年収と保護者の過去の経験を分析した。

世帯年収300万円未満の家庭で、直近1年以内に学校外の体験がない子どもの保護者のうち、58・1%が自身も体験活動に参加していなかった。一方、600万円以上の世帯は31・9%だった。

保護者の世帯年収と、幼少期の体験活動の参加傾向も調べた。300万円未満の保護者の30・5%が自身も体験活動をしておらず、600万円以上と13・7ポイントの差があった。

同団体の今井悠介代表は「世代間で格差が連鎖している。行政と連携し、体験活動ができる場づくりを進めたい」と話す。

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