協同の将来像描こう 持続可能な社会探る JCA中央集会

ワークショップで出た意見を発表する参加者(4日、東京都渋谷区で)

日本協同組合連携機構(JCA)は4日、第101回国際協同組合デーを記念し、東京都内で中央集会を開いた。持続可能な社会の実現をテーマに、JAや生協、行政が連携し、環境に配慮した米作りの取り組みなどを紹介。参加者同士で協同組合の将来像を議論する場を設け、地域で人と人をつなぐ役割や、情報発信の重要性を共有した。

JAや生協などの役職員約360人が、会場やオンラインで参加した。

新潟県のJA佐渡とコープデリ生活協同組合連合会(さいたま市)、佐渡市は、3者が連携し、国の特別天然記念物であるトキがすみやすい自然との共生を目指す米作りプロジェクトを紹介した。

2010年から始まった同プロジェクトでは、農薬や化学肥料を減らした米を栽培し、生協の組合員が参加したビオトープも作った。絶滅したトキが22年には推定545羽まで増えた。生産者と消費者が協力して環境を保全することで、ブランド力の向上にもつながったという。

同JAの渡部学総務部長は「応援してくれた消費者に今後も共感してもらい、お米を食べ続けてもらうことが大切」と強調した。

労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団は、長野県上田市で取り組む、障害のある子どもたちへの支援などを報告した。

ワークショップでは1グループ5人程度で協同組合の価値や、今後の組合の将来像などを議論した。参加者からは「地域社会で人々がつながるインフラとして役割を発揮すべきだ」という意見や、「国民に幅広く協同組合を知ってもらうために情報発信が重要」といった声が相次いだ。

主催者代表であいさつしたJCAの中家徹会長は「これからの協同組合像を描き、明日からの取り組みに生かしてほしい」とした。

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