息詰まる熱戦 アマ将棋大会で「名人」挑戦者決定 31歳が15歳と対局へ/岡山・津山市

岡山県津山市大谷の中央公民館で2日、第72期美作アマ将棋名人戦挑戦者決定大会(津山朝日新聞社主催、日本将棋連盟津山支部主管、津山キッズ将棋教室協力)が開かれた。息詰まる熱戦の結果、実力者の橋本圭司三段(31)=公務員、同県美作市=が、並み居る強豪を撃破し、挑戦権を獲得。土山泰輝名人(15)=津山高専1年、同県美咲町=と30日、津山キッズ将棋教室で名人位をかけ三番勝負で対局することになった。

本社・福田慎太郎専務が「年齢に関係なく実力を発揮し、楽しい一日にしてください。また、決定大会の人は挑戦権獲得を目指して頑張ってください」とあいさつし、対局に移った。

決定大会はトーナメント戦(15分、20秒秒読み、決勝は20分、30秒秒読み)で行われ、小学生から中堅、ベテランまで腕に覚えがある美作棋界の有段者20人が出場。精鋭ぞろいのため目が離せない対局ばかりで、盤上に火花を散らした。

決勝には1回戦・本田邦洋三段、2回戦・久常圭介初段、準々決勝は沼本源志三段、準決勝では4年ぶり挑戦権をねらう高谷祥敬三段を退けた橋本三段と、2回戦は挑戦者実績3回の福島清次三段、準々決勝・中山和徳三段、準決勝・清水大輝初段を下した永世名人で昨年の挑戦者川口剛五段が進出した。

振り駒の結果、川口五段の先手番で始まった決勝戦は、スタートから水面下での駆け引きが行われたが、川口五段の向かい飛車に対し、後手の橋本三段は三間飛車で対抗し相振り飛車戦を展開。

中盤に差し掛かるところでは、積極的な動きを見せた橋本三段が銀捨ての強手で角を成り込んで手段を模索するが、この動きがやや強引で川口五段が優位に。細かい攻めを巧みに繋ごうとする橋本三段に対し駒得の川口五段は「受け切り」を目指すが勝負所で疑問手がでて、僅差ながら逆転模様で一気に混戦へ突入した。

終盤に入ると、非勢にまわった川口五段が勝負手を連発するが、流れを手繰り寄せた橋本三段が堅実な指し回しで押し切った。終盤戦は見ごたえ十分で一手指した方が優勢に見える激闘であった。

橋本三段の話 1回戦から厳しい将棋ばかりだったが、指したい将棋が指せた。名人になれるよう頑張る。

土山名人の話 橋本三段は振り飛車を得意としている。永世名人がかかっているので、しっかり研究し臨みたい。

また、同決定戦の敗者戦のA級と一般大会のB級(12人)、C級の子ども大会(13人)も、決定戦に負けない熱のこもった対局となった。

A級、一般大会の成績は次の通り。

【A級】①本多邦洋②土山蒼介(旭学園6年)③片田一輝三段(勝央町)
【B級】①南部朔太郎(勝間田小6年)②上野祐輔(徳島県)③林田悠汰(河辺小6年)
【C級】①安藤優芯(旭学園6年)②高山颯太(河辺小4年)③八東樹吹(鶴山小2年)

橋本三段

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