Sonyの”黒塗り文書”が判読可能で機密情報が明らかに

ブラックマーカー技術を使用して機密データを隠蔽しようとするSonyの取り組みが裏目に出て、機密情報を解読することが可能になってしまうという事件が起こりました。Mircrosoftによる『Activision Blizzard』の買収提案に関して進められている審理中に、米国地方裁判所で公開されたSonyの機密文書から、『Horizon Forbidden West』や『The Last of Us Part 2』等の非常に期待されているゲームに関連する驚くべき開発費が明らかになりました。

『Horizon Forbidden West』に割り当てられた予算は2億1,200万ドルに達していましたが、『The Last of Us Part 2』ではそれを上回る2億2,000万ドルという驚愕の予算がかかっていたようです。ゲーム業界では法外な予算がかかることは珍しいことではありませんが(『Star Citizen』の6億ドルという驚きの資金調達から明らかなように)、Sonyのような企業から正確な数字を直接入手することは稀です。

今回の不注意による暴露は、スキャンされた紙上の黒く塗りつぶされたテキストの特殊な性質に起因すると考えられており、マーカーの残留物によって内容が判読出来るようになってしまっているようです。文書を編集した責任は依然として不明瞭ですが、使用するマーカーの選択が問題になっています。

この文書は財務的な問題を超え、それに関連する広範な開発プロセスにも注目が集まっています。『Horizon Forbidden West』の制作には5年がかかり、最盛期には最大300人の従業員からなるチームが参加し、『The Last of Us Part 2』には200人の従業員が参加していたことが分かっています。これらの詳細は、当初黒塗りで隠されていましたが、今では識別出来るようになっています。

さらに、The Vergeは文書の問題となっている部分を分析し、プレイ時間の100%を『Call of Duty』シリーズに費やしているPlayStationユーザーが約100万人にも上ることが示唆されています。SonyとActivisionの間に取り交わされている現在の契約では、今年後半にリリース予定の『Call of Duty』の次期作品のみがPlayStation向けに開発されることが確認されています。

FTC 対 Microsoft: Sonyは買収反対を支持、潜在的な影響を明らかに


今回の機密文書公開の背景には、連邦取引委員会(FTC)とMicrosoftによる、Activision Blizzardの買収提案に関して進行中の法廷闘争があります。FTCは8月の最終判決まで取引を遅らせるための一時的な介入を求めており、Microsoftが過剰な市場支配力を獲得するのを防ごうとしています。当然のことながら、SonyはMicrosoftの競合企業として、FTCの主張に同調しています。

この文書は、Xbox独占の可能性を含め、Microsoftが『Call of Duty』を支配することによる潜在的な影響をはっきりさせるためにPlayStationのCEOを務めるJim Ryan氏が提出したものです。Microsoftは自社を弁護するため、少なくとも当面の間は、PlayStation向け『Call of Duty』を維持することを約束しています。それでも、Bethesda買収後に『Starfield』を独占した前例によって疑問や憶測が起こっています。

(画像: Néstor Carvajal「The Last of Us Remastered_20140810114207」)

この公聴会では、Bungie、Sega、IO Interactive、SquareEnix等の買収を画策していたMicrosoftの過去の計画等、意図せず暴露された数多くの興味深い内容が明らかとなっています。不適切に編集されたSonyの文書はサーバーから削除されていますが、既にネット上に拡散してしまっています。

Microsoftによる買収の運命はこの公聴会の結果にかかっており、FTCがその阻止に努める中、英国の規制当局も懸念を表明しています。全ては7月29日までに決定され、この危険を孕んだ取引の今後が形作られることになります。

この記事は、編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。

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