「納税者のため改革を」 インボイス「丁寧に説明」 住澤氏(青森・八戸市出身)、国税庁長官に就任

就任会見に臨む住澤長官=4日午後、国税庁

 4日付で国税庁長官に就任した住澤整(ひとし)氏(57)=青森県八戸市出身=が同日、同庁で会見し「納税者からの信頼の下、国の財政を支える歳入官庁として役割を果たしていきたい」と決意を語った。納税者がより申告納税しやすい環境を整えるため、デジタル技術を活用して手続きを簡便にし、「果敢に、着実に業務改革を進める」とした。

 10月に始まる消費税のインボイス(適格請求書)制度について、住澤氏は、インボイス発行事業者の登録件数が5月末時点で約344万件に上り、消費税の納税義務を負う課税事業者の9割超が申請済みであると説明。一方で、免税事業者への周知も図るとし「不慣れな事業者には寄り添って丁寧に説明していく」と述べた。

 マイナンバーを巡るトラブルが相次いで発覚する中、住澤氏は「マイナンバーは税務行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める上で不可欠な基盤」と強調。デジタル庁と連携して国民の信頼確保に努めると強調した。

 心に残る言葉には、母校・八戸高校の綱領「須(すべから)ク自重スヘシ 唯(ただ)本分ニ向ツテ猛進セヨ 師ヲ敬シ友ヲ愛セヨ」を紹介。「高校1年生の頃、応援練習で何度も唱えさせられた。いろいろな仕事をする中で、いつも胸にあります」と故郷に思いをはせる場面もあった。

 住澤氏は東大卒。1988年大蔵省(現財務省)に入省、主に税制を企画する主税局でキャリアを積み、主税局長などを歴任した。国税の現場は、岡崎税務署(愛知県岡崎市)で署長を務めて以降、28年ぶりという。

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