宇都宮・大谷で9日イベント シイタケ農家と女子栄養大生、考案惣菜など紹介

開発したレシピなどを持ち、イベントをPRする吉村さん(右)、佐藤さん(中央)、神志那さん

 【宇都宮】里山保全や食の大切さをアピールしようと、新里町でワイナリーや原木シイタケの栽培を営む吉村慎子(よしむらのりこ)さん(44)が9日、女子栄養大生と初の共同イベント「栄養ワンダー 食卓と里山をつなぐ」を、大谷町の「OHYA BASE」で開催する。共同開発したレシピの紹介や総菜の販売、日本栄養士会から提供された牛乳やキウイフルーツの無料配布などを行う。

 コラボレーションは、市出身の女子栄養大4年、佐藤一美(さとうひとみ)さん(21)が今年3月、農業に関するマーケティングを研究させてほしいと吉村さんのワイナリーを訪れたことがきっかけ。栄養士でもある吉村さんが所属する日本栄養士会が当時、栄養週間(8月1~7日)に向けたイベントを募集していたことから、共同で企画することにした。吉村さんは「里山から食卓へのつながりや、栄養を意識する重要性を多くの方に知ってもらいたい」と話す。

 「吉村さんとの出会いで原木シイタケの魅力を知った」と佐藤さん。多くの人に食べてもらいたいと、レシピ開発に挑戦した。佐藤さんの原案を、吉村さんが栄養学的な視点でチェックし、互いに試作しながら味の調整を重ねた。

 完成したのは、牛乳と組み合わせることでシイタケに多く含まれるビタミンDの吸収率を高めた「しいたけチャウダー」や、60度の低温調理で子どもにも食べやすい「スライス干し椎茸フライ」。そのほか、食材の色彩を生かした「ビーツのスパゲティ」や「キウイの牛乳寒天」など、計6種類を開発した。

 イベントは正午~午後3時。摂食障害専門のカウンセラーで管理栄養士の神志那絵莉(こうじなえり)さん(37)=栃木市=も協力し、会場でダイエットなど食事に関するアドバイスも行う。

 佐藤さんは「地元農産物をPRし、地域振興に役立てたいとの思いがあった。おいしい総菜で、原木シイタケの魅力をアピールしたい」と意気込みを語った。

考案したレシピで作った総菜

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