「ダウン症の人の可能性感じて」 親の会「あひるの会」が35周年 マリンバ演奏やダンス通じ交流/岡山・津山市

岡山県津山市新野東の勝北文化センターで2日、ダウン症児親の会「あひるの会」の結成35周年記念事業が開かれた。マリンバコンサートやダンスステージなどが行われ、参加者約260人は障害への理解を深めるとともに交流の輪を広げた。

服部博会長が「諦めない姿や仲間と笑顔で続ける姿から、ダウン症のある人の可能性を感じてほしい」とあいさつ。30年以上にわたって大阪から療育指導にあたった大社美也子さんに、子どもたちから花束を贈呈。来賓の谷口圭三市長らが祝辞を述べた。

続いて、ダウン症のマリンバ奏者・多田駿介さん(26)=兵庫県猪名川町=がコンサート。マレットを手に「愛の挨拶(あいさつ)」「剣の舞」「ふるさと」といった多彩な曲を、優しく包み込むような音色で奏で上げ、聴衆はうっとりと耳を傾けた。

母・千景さんの講演もあり、駿介さんの歩みを紹介。小学校の運動会などの出来事にふれ「諦めない気持ちで取り組み、できるようになったことがたくさんあるが、その心を教えてくれたのはクラスメートだった」と語った。

この後、倉敷市のダウン症児ダンスチーム「Smile Cheers(スマイルチアーズ)」、あひるの会のダンスユニット「ダックスターズ」、関西を拠点とするダンススクール「ONE TRIVE(ワントライブ)」のキング&キイチが登場し、それぞれの持ち味を舞台上で発揮。最後にみんなで元気いっぱい踊り、ホールは一体感に包まれた。

同会は現在、津山市を中心とする63家族で活動し、療育教室や研修会、交流会などを行っている。

マリンバの優しい音色で魅了した多田さん

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