第九十八回「三歳の息子も大好き! なにもかもが素晴らしい『ブルース・ブラザーズ』」

真っ黒のスーツに、真っ黒のサングラス、白いシャツの映画といったら、『メン・イン・ブラック』? もしくは『レザボア・ドッグス』? いえいえ、やはり、『ブルース・ブラザーズ』なわけなのです。 『ブルース・ブラザーズ』は、音楽満載で、とにかく楽しいし、出てくるミュージシャンも豪華極まりない。 ジェームス・ブラウン、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズ、さらに、ジョン・リー・フッカーまで、スティーブ・クロッパーもいるし、なんとミュージシャンではないけれど、スピルバーグまで出てたりします。 彼らの配役も最高で、ただ歌うために出てくるというわけではなく、ジェームス・ブラウンは牧神になって、神の啓示を歌いまくるのですが、あの胡散くささとパワーはとにかく最高です。なんとバックの聖歌隊には、チャカ・カーンがいるみたいなのですが、どの人かわかりません。 アレサ・フランクリンの食堂のおばさんだって、本当に食堂のおばさんみたいで、やたらリアルです。 でもって、レイ・チャールズの楽器店の店主が、これまた、ユーモアたっぷりのふざけた店主で良いわけです。 そして、主演の二人、ダン・エイクロイドとジョン・ベルーシであります。二人の芸達者ぶり、音楽への愛によって、この映画が成り立っていると思える瞬間がたくさんあって、大変ふざけた映画ではあるけれど、笑いながら感動してしまうシーンもたくさんあります。なんというか、太ったジョン・ベルーシが、頑張って踊っているのが大変感動的であります(たまに代役がバク転したり、踊ったりしてますが、そこは大目に見てください)。 とにもかくにも、『ブルース・ブラザーズ』を観てない人はぜひ観てほしい。そして、昔、観たことがある人も、ぜひとも、もう一度観てほしい。 わたしの場合も、昔に観たことがるのですが、どういうわけだか、三歳の息子が、この映画を大好きになっていて、現在は、週に五回は見る羽目になっています。

最初は、一歳のころ、なんとなく、この映画をつけて一緒に観ていたら、レイ・チャールズが出てくるシーンが好きになり、踊るようになりました。「あの、おばさんのシーン」と言うので、「あの人はおばさんではない。おじさんで、凄いミュージシャンなのだ」と教えました。 他に彼が、好きなのは、ショッピングモールを破壊しまくるカーチェイスのシーンなのですが、そこで流れるテーマソングを、鼻歌で歌いながら、走りまわったり、暴れまわったりするので、部屋のものが、壊れたり、傷ついたして、大変なことになります。

さらに、このまえ、「シーコットザケイティー」となにやら言っているので、なんだろうと思っていたら、オープンングに流れるタジ・マハールの「She Caught the Katy」だったのでした(映画では、ジョン・ベルーシが歌ってます)。 また車に乗ると息子は、『ブルース・ブラザーズ』のアルバムを、何度も聴かせろ、と言い、リピートしまくっているので、最近は、もう五万回くらい聴かされている気分です。 そんなこんなで、わたしは食傷気味なのところがあるのですが、やはり、なにもかもが素晴らしい、『ブルース・ブラザーズ』のアルバムを今回は紹介したいです。

ちなみに、息子のクリスマス・プレゼント、サンタクロースが持ってきたものは、『ブルース・ブラザーズ』の車、ブルース・モービルでした。 この先も、まだまだ、『ブルース・ブラザーズ』漬けの日々は続きそうです。

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